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ウォンテッド、9-11月期(1Q)経常利益14%増益 最新の決算&財務諸表を解説 2024年1月

9-11月期(1Q)経常利益は、14%増益で着地

ウォンテッドリー <3991> は、2024年1月12日に2024年第1四半期決算を発表しました。

24年8月期第1四半期(9月から11月)の連結経常利益は前年同期比14.4%増の3.8億円に伸びましたが、通期計画の15.7億円に対する進捗率は24.8%となり、5年平均の27.7%とほぼ同水準でした。

直近3ヵ月の実績である9月から11月期(1Q)の売上営業利益率は前年同期の29.1%から33.7%に上昇しました。

ウォンテッドリーの業績の興味深い点は、各業績の成長率が徐々に減速し、株価が低迷しているにも関わらず、営業利益率については、対前年同期比で上昇している点です。

これは、一見業績が低迷しているように見えるものの、その実は経営の効率化が図られていることを示します。

今回は、そんなウォンテッドリーの最新の財務諸表を解説します。

この記事を読めば、ウォンテッドリーの株を買うにあたって、最低限知っておくべきウォンテッドリーの業績や財務状況を把握することができます。

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ウォンテッドリーとは?

ウォンテッドリーは、ビジネスSNS「Wantedly(ウォンテッドリー)」という主に人材採用のためのソーシャルリクルーティングプラットフォームを提供しています。

ビジネスSNSとは、ビジネスシーンで知り合った同僚や上司、取引先と繋がるためのサービスです。

このプラットフォームは、求職者と企業が直接コミュニケーションをとることを容易にし、特に価値観やビジョンを共有する人材のマッチングに重点を置いています。

また、キャリア開発や職場の情報交換の場としても利用されています。

年間配当と配当利回りの推移

ウォンテッドリーの年間配当と配当利回りに関して、2020年から2022年までは配当がなく、配当利回りも0%でした。

しかし、2023年に1.26%の配当利回りと一株当たり20円の配当を開始し、2024年も年間配当が20円と予想されています。

これは、ウォンテッドリーが配当政策を新たに導入し、継続していることを示しています。

なお、1月11日時点の配当利回りは、1.44%となっています。

経常利益とは?

経常利益は、本業における利益だけでなく、企業の持つ株の運用利益など、事業を行って得た利益です。

経常利益は、売上高と営業外収益を足した値から、販売した商品の原価である売上原価と、販売のためのコストである販管費、営業外費用を除くと求めることができます。

経常利益の推移

ウォンテッドリーの経常利益成長率は、2022年第3四半期と第4四半期に顕著な上昇を見せた後、2023年第1四半期で落ち着き、その後2023年第2四半期で再上昇しましたが、2023年第3四半期には減少しました。

その後、2023年第4四半期と2024年第1四半期では再び成長が見られました。

このデータは、ウォンテッドリーの経常利益が一定の波を持ちながらも、全体的に成長していることを示しています。

経常利益率とは?

経常利益率は、売上高に占める経常利益の割合を示したものです。

この割合が高いほど、本業以外の収益や費用を含めた会社全体の収益力が強いと判断できます。

経常利益率

ウォンテッドリーの経常利益率に関して、前年同期比で見ると全体的に向上しています。

特に2023年第2四半期では、2022年第2四半期の19.32%から36.64%へと大幅に上昇しました。

その他の四半期も、若干の増加が見られ、2024年第1四半期では2023年第1四半期の28.64%から33.28%へと改善しています。

この変化は、ウォンテッドリーの経常利益率が前年の同じ四半期と比較して向上していることを示しています。

営業キャッシュフローマージンとは?

営業キャッシュフローマージンは、売上高に占める営業キャッシュフローの割合を示したものです。

営業キャッシュフローは、企業の営業活動で得られた現金収入です。

この割合が高いほど、企業が売上から多くの現金収入を得ていることを意味し、現金を稼ぐ能力が高いと判断できます。

営業キャッシュフローマージン

ウォンテッドリーの年間営業キャッシュフローマージンは、2019年から2021年にかけて減少しましたが、2022年に大幅に改善し、その後2023年には減少しました。

アクルアールとは?

アクルアールは、企業が現金収入を伴った質の高い利益をあげているかを判断する指標です。

具体的には、アクルアールは純利益から営業キャッシュフローを引いた値で計算されます。

アクルアール=純利益(特別損益を除く)ー営業キャッシュフロー

純利益は、全ての収入から全ての支出を除いた利益であり、いわゆる会計上の利益です。

他方、営業キャッシュフローは、企業の営業活動で得られた現金収入です。

例えばA社のように、アクルアールがマイナスの場合、企業が多くの現金を営業活動から生み出し、現金収入が会計上の利益を上回っていることを意味します。これはA社が現金収入を伴う質の高い利益を生み出していることを示します。

逆に、B社のようにアクルアールがプラスの場合は、現金収入が会計上の利益を下回り、現金収入を伴わない質の低い利益を生み出している状況を示しています。

アクルアール

ウォンテッドリーのアクルアールは2019年に114.07億円から2022年には1,105.56億円へと大幅に増加し、2023年には625.89億円に減少しました。

アクルアールがプラスであることは、現金収入が会計上の利益を下回っていることを示し、質の低い利益を生み出している可能性があります。

特に2022年の大幅な増加は、財務面での注意を要する傾向です。

自己株式調整済み負債比率とは?

自己株式調整済み負債比率は、企業の抱える純資産(自己株式を除く)に対して、負債がどれだけの割合を占めているのかを表す指標です。

自己株式調整済み負債比率は、以下の式で求めることができます。
自己株式調整済み負債比率=負債÷(純資産ー自己株式)

純資産は自社株買いによって比較的容易に増やすことが可能であるため、その影響を排除するために純資産から自己株式を除いています。

この比率が低ければ低いほど、純資産に対して負債が少なく、財務が健全であると見なされます。

「史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力」によると、自己株式調整済み負債比率が0.80を下回ることが望ましいとアメリカの著名な投資家である、ウォーレン・バフェットは言います。

自己株式調整済み負債比率

ウォンテッドリーの自己株式調整済み負債比率は、2023年初めに0.38であり、その後若干の変動を経て2024年第1四半期には0.32に低下しました。

この比率はウォーレン・バフェットが望ましいと考える0.80を常に下回っており、ウォンテッドリーの財務が健全であることを示唆しています。

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