AMDの株は買うべき?
AMDの株は買うべき?
AMDの業績や財務状況を知りたいけど、自分で調べるのは大変。。
そんな悩みを抱える個人投資家のため、この記事では、最新のAMDの決算内容、PERや財務諸表を分析します。
この記事を読めば、誰でも、AMDの現在の業績や財務状況を把握することができます。
今回の記事では、AMDの総合評価をS,A,B,C,Dの5段階で評価をしていますので、投資判断の参考としていただければと思います
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AMDとは?
AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)は、コンピューターの中心的な部品として用いられる「マイクロプロセッサ」やディスプレイに映像を出力するために必要になる「グラフィックスカード」の開発・製造を行っている半導体の企業です。
AMDの主要な製品・サービスとしては、以下のものが挙げられます。
- RyzenシリーズのCPU - 高性能で効率的なプロセッシング能力を提供し、ゲーミングやプロフェッショナルな作業に適しています。
- RadeonシリーズのGPU - ゲームや映像制作で高いパフォーマンスを発揮するグラフィックスカードです。
- EPYCサーバー用プロセッサ - 企業やデータセンター向けに、高性能で省エネルギーなサーバー用プロセッサを提供しています。
- ThreadripperシリーズのCPU - ハイエンドデスクトップ市場向けの、多コア・高性能プロセッサです。
- ソフトウェアとドライバー - AMDのハードウェアを最大限に活用するための、専用のソフトウェアとドライバーの開発も行っています。
これらの製品群によって、AMDはコンピュータハードウェア市場において重要な地位を占めています。
最新の決算
2023年10月にAMDは2023年第3四半期決算を発表しており、
- EPS:アナリスト予想68セントに対し結果70セントで、アナリスト予想を上回る。(〇)
- 売上高:アナリスト予想57億ドルに対し結果58億ドルで、アナリスト予想を上回る。(〇)
- 次期四半期売上高ガイダンス:アナリスト予想63.7億ドルに対し結果61億ドルで、アナリスト予想を下回る。(✖)
という結果でした。
AMDのリサ・スー最高経営責任者(CEO)は決算説明会で、「データセンター向けGPUの収益は第4四半期に約4億ドル、2024年には20億ドルを超えると予想している」と述べました。
AMD gives soft fourth-quarter guidance, but expects to sell $2 billion of AI chips next year AMD is one of the few chipmakers capable of making the kind o www.cnbc.com
平均PER
2023年12月7日時点のAMDのPERについては、financecharts.comによると下記のとおりです。
- 過去5年間の平均PER: -392.60倍
- 過去3年間の平均PER: -536.7倍
- 過去1年間の平均PER:-979.53倍
- 2023年12月7日時点のPER:898.62倍
となっています。
このデータから、AMDのPERには顕著な変動があることがわかります。
特に、過去5年間、3年間、1年間の平均PERがマイナスの値を示しているのは注目に値します。
PERが負の値を示すことは、企業がその期間に損失を報告していること(純利益がマイナスであること)を意味します。
2023年12月2日時点のPERが898.62倍という非常に高い値になっているのは、市場がAMDの将来の収益成長に対して極めて楽観的であること、またはAMDの株価が過大評価されている可能性を示唆しています。
PERが非常に高い場合、投資家は会社の将来の成長を大いに期待していると解釈できますが、同時に株価が過熱している可能性も考えられます。
総じて、AMDのPERのデータは、過去数年間の業績に苦戦があったこと、そして現在は市場からの高い期待があることを示しています。
https://www.financecharts.com/stocks/AMD/value/pe-ratio
売上高の推移
AMDの売上高に関するデータを見ると、2020年第4四半期から2023年第3四半期までの期間にわたって、一般的には成長の傾向が見られます。
具体的には、2020年第4四半期の時点での売上高は32.44億ドルでしたが、その後、ほぼ連続的に増加し、2022年第2四半期には65.50億ドルに達しています。
これはこの期間におけるピークであり、それ以降の四半期ではわずかながら売上が減少しています。
2022年第3四半期以降、売上高は55.65億ドルから58.00億ドルの間で推移しており、これは2022年第2四半期のピーク時からの減少を示していますが、依然として2020年第4四半期の初期の数値よりは高い水準を維持しています。
総じて、この期間におけるAMDの売上高は成長傾向にありますが、最近ではその成長ペースにいくらかの鈍化が見られると言えるでしょう。
売上高 前年同期比での成長率
AMDの売上高成長率に関するデータを詳しく見てみましょう。ここでの成長率は、前年同期比(Year-Over-Year, YOY)で計算されています。
- 2021年第4四半期では、成長率は48.8%となっており、この期間においてかなりの高い成長を示しています。
- 2022年第1四半期と2022年第2四半期では、成長率はそれぞれ70.9%、70.1%となっており、この時点でAMDの売上は非常に強い成長を遂げていることがわかります。
- しかし、2022年第3四半期になると成長率は29.0%に減少し、2022年第4四半期ではさらに低下して16.0%になっています。これは、成長の勢いが鈍化していることを示唆しています。
- 2023年第1四半期からは成長率がマイナスに転じ、-9.1%となり、2023年第2四半期ではさらに低下して-18.2%を記録しています。これは、売上が前年同期比で減少していることを意味しています。
- 2023年第3四半期では成長率はわずかに回復して4.2%となっていますが、これは前年の同じ期間と比較してわずかな成長に留まっています。
これらのデータから、AMDの売上高は2021年第4四半期から2022年第2四半期にかけて非常に高い成長を遂げていたものの、2022年第3四半期以降、成長率が減速し、2023年第1四半期と2023年第2四半期では売上が前年同期比で減少していることが明らかになります。
ただし、2023年第3四半期でのわずかな成長は、売上が安定しているか、あるいは回復傾向にある可能性を示唆しています。
営業利益の推移
営業利益とは、企業が本業で稼いだ利益です。
AMDの営業利益に関するデータを見ると、2020年第4四半期から2023年第3四半期までの期間において、顕著な変動が見られます。
- 2020年第4四半期では営業利益は5.70億ドルで、その後、2021年の四半期ごとに着実に増加しています。2021年第1四半期は6.62億ドル、第2四半期は8.31億ドル、第3四半期は9.48億ドルと成長を続け、2021年第4四半期には12.07億ドルに達しました。この時点での成長はAMDの強さを示しています。
- しかし、2022年に入ると、営業利益は減少に転じます。2022年第1四半期は9.51億ドル、第2四半期は大きく減少して5.26億ドルとなり、第3四半期には-0.64億ドルと赤字に転落します。2022年第4四半期も赤字が続き、-1.49億ドルを記録しました。
- 2023年に入っても、営業利益の状況は厳しさを増しています。2023年第1四半期は-1.45億ドル、第2四半期は-0.20億ドルと赤字が続いていますが、第3四半期には2.24億ドルと黒字に転じています。
このデータから、AMDは2021年にかけて順調に営業利益を伸ばしていましたが、2022年に入ると急激に業績が悪化し、数四半期にわたって赤字を記録しました。
しかし、2023年第3四半期には営業利益が回復し、黒字に転じています。
営業利益 前年同期比での成長率
AMDの営業利益成長率に関するデータを見ると、2021年第4四半期から2023年第3四半期までの期間において大きな変動が見られます。ここでの成長率は、前年同期比(Year-Over-Year, YOY)で計算されています。
- 2021年第4四半期では、営業利益成長率は111.8%と非常に高い成長を示しています。
- 2022年に入ると、状況が大きく変化します。2022年第1四半期の成長率は43.7%と減少し、第2四半期には-36.7%へと下降し始めます。
- その後、2022年第3四半期と第4四半期では成長率はそれぞれ-106.8%、-112.3%となり、営業利益が大幅に減少していることを示しています。
- 2023年第1四半期と第2四半期には、この傾向が続き、成長率はそれぞれ-115.2%、-103.8%となります。
- しかし、2023年第3四半期には、成長率が大幅に改善し、450.0%となります。これは、営業利益が前年同期比で大きく回復していることを示しています。
このデータから、AMDの営業利益は2021年第4四半期に高い成長を達成した後、2022年に入ると大幅な減少に転じ、数四半期にわたり厳しい状況が続いていたことがわかります。
しかし、2023年第3四半期の大幅な回復は、営業利益が改善傾向にあることを示唆しています。
営業利益率
営業利益率は、売上高に占める営業利益の割合を示したものです。
この割合が高いほど、企業の本業の稼ぐ力が強いと判断できます。
AMD、エヌビディア、およびインテルの各社について、営業利益率のトレンドと変化を個別に解説します。
AMD
- 2021年第4四半期: 営業利益率は25.01%で、比較的高い水準を維持しています。この時期はAMDが市場で好調なパフォーマンスを示していたことを反映しています。
- 2022年: この年を通じてAMDの営業利益率は低下し、特に第2四半期から第4四半期にかけては赤字に転じています(第2四半期:8.03%、第3四半期:-1.15%、第4四半期:-2.66%)。
- 2023年: 第1四半期と第2四半期も引き続き赤字でしたが(-2.71%、-0.37%)、第3四半期には3.86%と回復し、再び黒字に転じています。
エヌビディア
- 2021年第4四半期: この期間における営業利益率は38.86%と非常に高く、業界内での強い競争力を示しています。
- 2022年: 一貫して高い利益率を維持していますが、第2四半期には若干の低下を見せています(7.44%)。ただし、第3四半期と第4四半期には再び増加し、それぞれ10.13%、20.76%となっています。
- 2023年: 営業利益率はさらに向上し、第1四半期29.76%、第2四半期50.34%、第3四半期には57.49%と、業界内で非常に高い水準を維持しています。
インテル
- 2021年第4四半期: この期間の営業利益率は24.30%で、AMDと同等の水準です。
- 2022年: この年は特に厳しい年で、特に第2四半期から第4四半期にかけては営業利益率が大きく低下し、赤字に転落しています(第2四半期:-4.57%、第3四半期:-1.14%、第4四半期:-8.06%)。
- 2023年: 第1四半期と第2四半期は引き続き赤字の状態が続きますが(-12.53%、-7.85%)、第3四半期には-0.06%とほぼブレークイーブン(企業が利益も損失も出さない状態)に近い状態に回復しています。
結論
これらのデータから、エヌビディアは一貫して高い営業利益率を維持しており、市場での強い競争力を持っていることがわかります。
一方で、AMDとインテルは2022年に苦戦し、特にインテルは長期にわたり赤字状態が続いています。
しかし、AMDは2023年第3四半期に回復の兆しを見せており、インテルも同期にブレークイーブンに近い状態になっています。
営業キャッシュフロー
営業キャッシュフローは、企業の営業活動から発生した現金収入です。
営業キャッシュフローは、企業の健全性と持続可能性を測る重要な指標の一つです。
AMDの営業キャッシュフローのデータを見ると、2020年第4四半期から2023年第3四半期までの期間におけるトレンドと変化が見られます。
- 2020年第4四半期: 営業キャッシュフローは5.54億ドルで、この時点では安定した流れを示しています。
- 2021年: この年を通じて、営業キャッシュフローは順調に増加しました。2021年第1四半期は8.98億ドル、第2四半期は9.52億ドル、第3四半期は8.49億ドル、第4四半期は8.22億ドルとなりました。この増加は、同社のビジネスが拡大し、効率的に運営されていることを示しています。
- 2022年: 営業キャッシュフローはさらに増加し、2022年第1四半期には9.95億ドル、第2四半期には10.38億ドルに達しました。しかし、第3四半期には9.65億ドルに減少し、第4四半期には5.67億ドルと大幅に減少しました。
- 2023年: 営業キャッシュフローはさらに低下し、2023年第1四半期は4.86億ドル、第2四半期は3.79億ドル、第3四半期は4.21億ドルとなっています。
このデータから、AMDは2021年にかけて営業キャッシュフローを順調に増加させていましたが、2022年から2023年にかけて減少傾向にあります。
営業キャッシュフロー 前年同期比での成長率
AMDの営業キャッシュフローの成長率(前年同期比、Year-Over-Year, YOY)を見ると、2021年第4四半期から2023年第3四半期までの期間にわたるトレンドと変化が明確に見て取れます。
- 2021年第4四半期: 営業キャッシュフローの成長率は48.4%となっており、この時期にAMDは前年同期比でかなりの成長を遂げています。
- 2022年: しかし、2022年に入ると成長率は減少し始めます。2022年第1四半期は10.8%、第2四半期は9.0%となり、第3四半期には若干改善して13.7%になりますが、第4四半期には大幅に低下し、-31.0%となります。これは、前年同期比で営業キャッシュフローが減少していることを示しています。
- 2023年: 2023年になると、状況はさらに悪化します。第1四半期の成長率は-51.2%、第2四半期は-63.5%、第3四半期は-56.4%となり、前年同期比での営業キャッシュフローの減少が続いています。
これらのデータから、AMDの営業キャッシュフローは2021年第4四半期に高い成長を示した後、2022年および2023年に大幅な減少を経験していることがわかります。
営業キャッシュフローマージン
営業キャッシュフローマージンは、売上高に占める営業キャッシュフローの割合を示したものです。
この割合が高いほど、企業の現金を稼ぐ能力が高いと判断できます。
なお、「MarketHack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法」によると、営業キャッシュフローマージンは、理想として15%から35%程度あると素晴らしいとされています。
AMD、エヌビディア、およびインテルの営業キャッシュフローマージンのデータを比較し、各社の営業キャッシュフローマージンの全体的なトレンドと変化について解説します。
(※AMD FY23Q3と同時期に発表されたNVDA FY24Q3とINTC FY23Q3のデータを比較)
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