ジースケーラーの株は買うべき?
ジースケーラーの業績や財務状況を知りたいけど、自分で調べるのは大変。。
そんな悩みを抱える個人投資家のため、最新のジースケーラーの決算内容や財務諸表を解説します。
この記事を読めば、ジースケーラーの現在の業績や財務状況を把握することができます。
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ジースケーラーとは?
ジースケーラーは、クラウドセキュリティ企業として世界的に事業を展開しています。
同社は、ユーザー側の各種デバイスからアプリケーション/クラウド・サービスにアクセスする際のクラウド・セキュリティを提供しています。
グローバルに事業展開する大企業の多くが、システムやネットワークの利用環境をクラウド&モバイルファースト型に移行しつつあるため、同社サービスの利用を通じてセキュリティ・モデルを転換する需要が高まっています。
最新の決算
ジースケーラーは、2023年11月に2024年度第1四半期決算を発表しています。
EPSは、アナリスト予想0.49ドルに対して、結果0.67ドルでアナリスト予想を上回りました。
売上高は、アナリスト予想4.73億ドルに対して、結果4.97億ドルでアナリスト予想を上回りました。
ジースケーラーは、次期四半期売上高ガイダンスを発表しており、2024年度第2四半期の売上高は、5.5億から5.7億ドル、中値5.6億ドルを見込んでいます。
これは、前年同期比44.3%の成長となります。
売上高の推移
ジースケーラーの売上は2021年度第2四半期から2024年度第2四半期(会社側ガイダンス)にかけて、連続して成長しています。
2024年度第2四半期の会社側ガイダンスによると、5.6億ドルと売上はさらに増加すると予想されています。
売上高 前年同期比での成長率
2022年度から2024年度にかけて、ジースケーラーの売上高成長率は減少傾向にあります。これは、会社が初期の急成長フェーズから、より成熟した市場環境に移行していることを示唆している可能性があります。
成長率は減少していますが、依然として高い成長性を維持しています。特に、2024年度第2四半期の会社側ガイダンスの売上高に基づけば、成長率が44.3%と再び上昇すると予想されます。
営業利益とは?
営業利益は、企業が本業で稼いだ利益です。
営業利益は売上高から、販売した商品の原価である売上原価と、販売のためのコストである販管費を除くと求めることができます。
営業利益の推移
2021年度第2四半期から2024年度第1四半期にかけて、営業損失は全体的に減少傾向にあります。
2022年度第1四半期から第3四半期にかけては、営業損失が増加する時期があります。
2023年度以降、営業損失は着実に減少しており、これは長期的な財務の改善を示唆しています。
営業利益 前年同期比での成長率
2022年度前半において、営業利益成長率は大きなマイナスを記録しています。
2023年度に入ると、営業利益成長率はプラスに転じています。これは、営業損失の減少を示しています。
2023年度を通じて、営業利益成長率は徐々に向上しています。
2024年度第1四半期においては、33.3%と成長率はやや低下していますが、依然としてプラスの成長率を維持しています。
営業利益率
営業利益率は、売上高に占める営業利益の割合を示したものです。
この割合が高いほど、企業の本業の稼ぐ力が強いと判断できます。
ジースケーラーの営業利益率の数値がマイナスであることから、一貫して営業利益がマイナス、営業損失が発生していることが分かります。
2022年度第2四半期から2024年度第1四半期にかけて、営業利益率は徐々に改善しています。これは、売上高に対する営業損失の割合が減少していることを意味し、会社の財務状況が改善されつつあることを示唆しています。
営業キャッシュフローとは?
営業キャッシュフローは、企業が営業活動でどれだけの現金を生み出しているかを示しています。
この指標は、単に売上高などの会計上の利益を上げているだけでなく、その利益が現金として実際に会社の手元に流れ込んでいるかを反映しています。
営業キャッシュフロー
2022年度第1四半期から2024年度第1四半期にかけて、ジースケーラーの営業キャッシュフローは全体的に増加しています。これは、企業の営業活動が効率的に行われ、より多くの現金を生み出していることを示しています。
2024年度第1四半期には2.61億ドルと営業キャッシュフローが大幅に増加しており、これは特定の事業の成功や効率化の成果が顕著に表れている可能性があります。
営業キャッシュフロー 前年同期比での成長率
2023年度から2024年度にかけて、ジースケーラーの営業キャッシュフローの成長率は一貫してプラスです。
特に2023年度第2四半期と2024年度第1四半期の成長率は、85.4%、103.9%と非常に高く、企業の現金生産能力が大幅に向上していることを示しています。
営業キャッシュフローマージンとは?
営業キャッシュフローマージンは、売上高に占める営業キャッシュフローの割合を示したものです。
この割合が高いほど、企業が売上から多くの現金を生み出していることを意味し、現金を稼ぐ能力が高いと判断できます。
なお、「MarketHack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法」によると、営業キャッシュフローマージンは、理想として15%から35%程度あると素晴らしいとされています。
営業キャッシュフローマージン
2022年度第2四半期から2024年度第1四半期にかけて、ジースケーラーの営業キャッシュフローマージンは全体的に増加しています。
特に2024年度第1四半期の52.52%というマージンは非常に高く、同社が売上から大量の現金を生み出していることを示しています。
アクルアールとは?
アクルアールは、企業が現金収入を伴った質の高い利益をあげているかを判断する指標です。
具体的には、アクルアールは純利益から営業キャッシュフローを引いた値で計算されます。
アクルアール=純利益ー営業キャッシュフロー
- 例えば、A社のようにアクルアールがマイナスの場合、企業が営業活動から多くの現金を生み出しており、その現金収入が会計上の利益を上回っている状況を示しています。この場合、企業は現金収入を伴う質の高い利益を生み出していると考えられます。
- 他方、B社のようにアクルアールがプラスの場合、現金収入が会計上の利益を下回っている状況を示しています。これは、現金収入が少ないにもかかわらず、会計上の利益が多いことを意味し、現金収入を伴わない質の低い利益を生み出していると考えられます。
アクルアール
全ての四半期においてアクルアールがマイナスであることから、ジースケーラーは営業活動から多くの現金を生み出し、その現金収入が会計上の利益を上回っている状況が示されています。
マイナスのアクルアールは、ジースケーラーが現金収入を伴う質の高い利益を生み出していることを意味します。これは、企業の財務健全性と事業の持続可能性にとって好ましい状況です。
2024年度第1四半期では、-2.94億ドルとアクルアールが特に大きなマイナス値を示しています。
なお、基本的な財務諸表の読み方やアクルアールなどの財務指標については、「たった10日で決算書がプロ並みに読めるようになる! 会計の教室」という本で、初心者向けに分かりやすく解説されていますので、より詳しい内容を知りたい方はそちらをご覧ください。
自己株式調整済み負債比率とは?
自己株式調整済み負債比率は、企業の抱える純資産(自己株式を除く)に対して、負債がどれだけの割合を占めているのかを表す指標です。
自己株式調整済み負債比率は、以下の式で求めることができます。
自己株式調整済み負債比率=負債÷(純資産ー自己株式)
この比率が低ければ低いほど、純資産に対して負債が少なく、財務が健全であると見なされます。
「史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力」によると、自己株式調整済み負債比率が0.80を下回ることが望ましいとアメリカの著名な投資家である、ウォーレン・バフェットは言います。
自己株式調整済み負債比率
ジースケーラーの自己株式調整済み負債比率は、ウォーレン・バフェットが推奨する0.80を大きく上回っています。
他方、2023年度第1四半期の5.58から2024年度第1四半期の3.50へと自己株式調整済み負債比率の改善が見られます。
固定長期適合率とは?
固定長期適合率は、企業の固定資産が、純資産と固定負債といった安定した資金で賄えているかどうかを示す指標です。
固定長期適合率は、以下の式で求めることができます。
固定長期適合率=固定資産÷(純資産+固定負債)
一般的に、この比率が100%以下であると、企業の固定資産が安定した資金でまかなえており、会社の財務状況が安定していると判断できます。
固定長期適合率
ジースケーラーの固定長期適合率は、全ての四半期で100%以下となっており、これは企業の固定資産が安定した資金で十分に賄えていることを示しています。
この比率の安定性は、ジースケーラーの財務状況が健全であり、長期的な財務リスクが低いことを示唆しています。
総合評価
ジースケーラーの総合評価は、S,A,B,C,Dのうち、「C」ランクとします。
ジースケーラーについて、2024年度第1四半期の売上高とEPSはアナリストの予想を上回り、次期四半期の売上高は前年同期比で44.3%の高い成長率が見込まれています。
また、営業キャッシュフローマージンの高さは、売上からの現金生産能力が高いことを示しています。さらに、アクルアールのマイナス値は、質の高い利益を生み出していることを意味します。
一方で、いくつかの懸念点も存在します。例えば、自己株式調整済み負債比率が3.5と高い値であることは、相対的に高い財務リスクを示しています。
また、営業利益率がマイナスであることから、一貫して営業損失が発生している状況が見られます。
これらの情報を総合すると、ジースケーラーは成長性が高く、財務状況が改善傾向にある一方で、営業利益などの面で注意が必要な企業と言えます。