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マイクロソフト(MSFT)の投資判断

マイクロソフト(MSFT)の投資判断

マイクロソフトは、大手のソフトウェア企業であり、様々なコンピュータに対応する多種多様なソフトウェア製品を開発、製造、ライセンス供与、そしてサポートを行っています。

事業は3つのセグメントに分かれています。

プロダクティビティ&ビジネスプロセス部門は、生産性、コミュニケーション、情報サービスを提供する製品とサービスで構成されており、主に「Office Commercial」、「LinkedIn」などのビジネスソリューションが含まれます。

インテリジェント・クラウド部門は、「Azure」をはじめとするクラウドサービス、「GitHub」などのプロフェッショナルサービスを含むエンタープライズサービスなど、サーバー製品とクラウドサービスで構成されています。

モア・パーソナル・コンピューティング部門は、主にWindows、デバイス、ゲーム、検索およびニュース広告で構成されています。

基本情報はこちらの表のとおりです。

株価のチャート

株価のチャートは、こちらのとおりです。

過去1年間の株価は、プラス31.98%となっています。

最新の決算

マイクロソフトは、2024年4月26日に決算を発表しています。

EPSについては、アナリスト予想2.84ドルに対して、結果2.94ドルで、アナリスト予想を上回りました。

四半期の売上高については、アナリスト予想608.8億ドルに対して、結果約618.6億ドル、前年同期比約17%増で、アナリスト予想を上回りました。

2024年6月期第3四半期業績の概要

2024年6月期第3四半期の業績は、売上高が前年同期比17.02%増の618億5800万ドル、純利益が19.89%増の219億3900万ドルとなりました。

主要な3部門はすべて二桁の増収を記録しました。

部門別の売上高は、プロダクティビティ&ビジネスプロセス部門が11.72%増の195億7000万ドル、インテリジェント・クラウド部門が20.95%増の267億800万ドル、モア・パーソナル・コンピューティング部門が17.49%増の155億8000万ドルに拡大しました。

サービス別の増収率では、主力のパブリック・クラウド事業「Azure」が前四半期30%に対して今期は31%、そして「Windows OEM」が前四半期11%に対して変わらず11%を記録しました。

全体の営業利益は23.39%増の275億8100万ドルに拡大し、利益率は42.28%から44.58%へと2.3ポイント上昇しました。

直近4回分の決算のサプライズ率

EPS

2023年第4四半期から2024年第3四半期までのEPSについては、全ての四半期で、アナリスト予想を上回っています。

アナリスト予想を何パーセント上回ったかを示すサプライズ率については、過去4四半期の平均は6.92%となっています。

売上高

2023年第4四半期から2024年第3四半期までの売上高については、全ての四半期で、アナリスト予想を上回っています。

アナリスト予想を何パーセント上回ったかを示すサプライズ率については、過去4四半期の平均は1.99%となっています。

EPS

EPSとは、「Earnings Per Share」の略で、1株当たり純利益ともいわれます。

EPSからわかることは、企業の「収益力」と「成長性」の2つです。

数値が高いほど企業の収益力は高いと見ることができます。

また、同じ企業の当期EPSと前期以前のEPSを比較することで、企業が順調に成長しているか判断することもできます。

2022年から2023年にかけてEPSは減少傾向が見られましたが、2023年第3四半期から再び成長に転じ、2024年には大幅な成長を遂げています。

特に2024年第1四半期と第2四半期の成長率は27.2%と33.2%と高い数値を記録しており、マイクロソフトの業績が好調であることを示しています。

売上高の推移

2022年第4四半期から2023年第2四半期にかけての成長率は低下傾向にありましたが、2023年第3四半期以降は再び増加し、2024年第1四半期から第3四半期にかけては13%から18%の成長を記録しています。

これはマイクロソフトの売上が堅調に増加していることを示しています。

「利益」は意見、「キャッシュ」は現実

損益計算書(PL)に記載される売上高などの「利益」は、本来であれば来期に立つ売上を、今期の売上として計上することや架空の売上を立てることで、意図的に「利益」を過大に見せること、いわゆる粉飾が可能であり、明らかな粉飾でない限り、このような粉飾を見抜くことは難しいと言われています。

他方、キャッシュフロー計算書(CF)に記載される営業キャッシュフローなどの「キャッシュ」は、実際にどれだけの現金が出入りしたのかを表し、意図的な調整をする余地がありません。

そのため、会計の世界では、『「利益」は意見、「キャッシュ」は現実』、または『キャッシュフローは嘘をつかない』とされています。

また、損益計算書では黒字にも関わらず、倒産してしまう「黒字倒産」の原因は、売上が発生しても、その入金、現金収入が大幅に遅れ、企業が現金不足に陥ることで起こるとされています。

そのため、企業の「利益」だけでなく、企業の「キャッシュ」を確認することが重要です。

営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローは、企業の営業活動で得られた現金収入です。

2019年から2022年にかけて、マイクロソフトの営業キャッシュフローは一貫して増加していましたが、2023年には1.6%減少しました。

これは、前年までの成長率と比較すると一時的な減少であり、今後の動向に注目する必要があります。

ネットキャッシュ比率とは

ネットキャッシュ比率とは、資産総額に対する資金の豊富さを計る尺度です。

ネットキャッシュとネットキャッシュ比率の定義については、長者番付1位となった伝説のサラリーマン投資家、清原達郎氏のネットキャッシュ比率の定義を採用しています。

ネットキャッシュ=流動資産+投資有価証券×70%-負債

ネットキャッシュ比率=ネットキャッシュ÷時価総額

ネットキャッシュ比率=(流動資産+投資有価証券×70%-負債)÷時価総額

ネットキャッシュ比率が1の企業については、「会社がただで買えるほど割安」であり、数字が大きいほど割安と判断できます。

また、清原氏曰く、ネットキャッシュ比率が1を超えている企業については、「ただで会社をもらった上で現金まで貰える」ほど割安だとされています。

より詳しい内容については、清原達郎氏の「わが投資術 市場は誰に微笑むか」をご覧ください。

ネットキャッシュ比率

マイクロソフトのネットキャッシュ比率は-0.02であり、資産が負債をほぼ相殺していることを示しています。

これは、ネットキャッシュ比率の観点からマイクロソフトが割安と判断される基準には達していないことを意味します。

投資判断

それでは、マイクロソフトの投資判断を行いたいと思いますが、続きの内容については、有料記事となります。

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