リスキリング銘柄、インソース、4期連続最高益
インソースは、2023年11月6日に2023年9月期第4四半期決算を発表しています。
23年9月期の連結経常利益は前期比17.7%増の39.3億円になりました。
また、24年9月期も前期比16.5%増の45.8億円の伸びを見込み、4期連続で過去最高益を更新する見通しとなりました。
同時に、前期の年間配当を12.5円から13円に増額し、今期も前期比2円増の15円に増配する方針としました。
直近3ヵ月の実績である7月から9月期(4Q)の連結経常利益は前年同期比21.6%増の11.3億円に伸び、売上営業利益率は前年同期の36.5%から39.3%に上昇しました。
今回は、そんなインソースの最新の財務諸表を解説します。
この記事を読めば、インソースの株を買うにあたって、最低限知っておくべきインソースの業績や財務状況を把握することができます。
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インソースとは?
インソース株式会社(6200)は、企業等の人事部向けの講師派遣型研修、公開講座を運営しています。
主に企業教育、研修プログラムの設計、ITコンサルティング、人事・組織開発支援を行い、リスキリングに特化したサービスを提供しています。
インソースは、変化するビジネス環境に対応するための効果的な研修や教育プログラムを通じて、企業の人材育成と組織強化をサポートしています。
インソース株式会社の主な強みは、カスタマイズ可能な多様な教育・研修プログラムの提供、先進的なITコンサルティングサービス、および効果的な人事・組織開発サポートです。
年間配当と配当利回りの推移
インソースの年間配当は2020年の一株当たり4.63円から2024年には15円へと増加していますが、同期間中の配当利回りは0.62%から上昇傾向にあります。
インソースの年間配当額は、年々増え続けています。
なお、1月12日時点の配当利回りは、1.78%となっています。
総還元性向とは?
総還元性向とは、会社が儲けた利益を、配当や自社株買いという形で、株主に対してどれくらい還元しているかを表す指標です。
総還元性向が高いほど、株主還元に力を入れている企業であることを示します。
ただし、株主への還元が多いことは、設備投資などに使用できる資金が少なくなる可能性があることに留意する必要があります。
総還元性向
インソースの総還元性向は、2019年の96.6%から2020年に155.5%へと大幅に上昇した後、2021年から2023年にかけては40%台に安定しています。
経常利益とは?
経常利益は、本業における利益だけでなく、企業の持つ株の運用利益など、事業を行って得た利益です。
経常利益は、売上高と営業外収益を足した値から、販売した商品の原価である売上原価と、販売のためのコストである販管費、営業外費用を除くと求めることができます。
経常利益の推移
インソースの経常利益は、2022年第2四半期に前年同期比45.4%の成長を達成し、その後も第4四半期に40.2%と成長を続けました。
2023年第4四半期においては、前年同期比で21.6%の増加率を示し、経常利益の持続的な成長が確認できます。
経常利益率とは?
経常利益率は、売上高に占める経常利益の割合を示したものです。
この割合が高いほど、本業以外の収益や費用を含めた会社全体の収益力が強いと判断できます。
経常利益率
インソースの経常利益率を前年同期で比較すると、2023年第2四半期と第4四半期は前年同期の利益率を上回っており、特に第4四半期の増加幅が大きく、収益性の向上がうかがえます。
一方、2023年第1四半期は前年同期の利益率を下回っているものの、第3四半期は前年並みとなっており、全体としては前年度と同水準かそれ以上の利益率を維持している傾向が見られます。
営業キャッシュフローマージンとは?
営業キャッシュフローマージンは、売上高に占める営業キャッシュフローの割合を示したものです。
営業キャッシュフローは、企業の営業活動で得られた現金収入です。
この割合が高いほど、企業が売上から多くの現金収入を得ていることを意味し、現金を稼ぐ能力が高いと判断できます。
営業キャッシュフローマージン
インソースの営業キャッシュフローマージンは、2020年に3.73%と一時大きく落ち込みましたが、その後は回復傾向にあることが分かります。
アクルアールとは?
アクルアールは、企業が現金収入を伴った質の高い利益をあげているかを判断する指標です。
具体的には、アクルアールは純利益から営業キャッシュフローを引いた値で計算されます。
アクルアール=純利益(特別損益を除く)ー営業キャッシュフロー
純利益は、全ての収入から全ての支出を除いた利益であり、いわゆる会計上の利益です。
他方、営業キャッシュフローは、企業の営業活動で得られた現金収入です。
例えばA社のように、アクルアールがマイナスの場合、企業が多くの現金を営業活動から生み出し、現金収入が会計上の利益を上回っていることを意味します。これはA社が現金収入を伴う質の高い利益を生み出していることを示します。
逆に、B社のようにアクルアールがプラスの場合は、現金収入が会計上の利益を下回り、現金収入を伴わない質の低い利益を生み出している状況を示しています。
アクルアール
インソースのアクルアールは、2019年と2021年以降はマイナスで、現金収入が会計上の利益を上回り、質の高い利益を生み出しています。
2020年のみプラスとなり、この年は現金収入を伴わない利益が多かったようです。全体としては安定した現金収入があるものの、2020年は一時的にその傾向が弱まったことが分かります。
自己株式調整済み負債比率とは?
自己株式調整済み負債比率は、企業の抱える純資産(自己株式を除く)に対して、負債がどれだけの割合を占めているのかを表す指標です。
自己株式調整済み負債比率は、以下の式で求めることができます。
自己株式調整済み負債比率=負債÷(純資産ー自己株式)
純資産は自社株買いによって比較的容易に増やすことが可能であるため、その影響を排除するために純資産から自己株式を除いています。
この比率が低ければ低いほど、純資産に対して負債が少なく、財務が健全であると見なされます。
「史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力」によると、自己株式調整済み負債比率が0.80を下回ることが望ましいとアメリカの著名な投資家である、ウォーレン・バフェットは言います。
自己株式調整済み負債比率
インソースの自己株式調整済み負債比率は、2022年第4四半期から2023年第4四半期までのすべての四半期において、ウォーレン・バフェットが推奨する0.80を下回っています。特に2023年第3四半期は0.31と低く、財務状況が健全であると判断できます。