株式投資を始める際、多くの初心者が直面するのが、株価評価の指標であるPERの使い方や目安。
この記事では、PERの基本的な解説から、PERの目安など初心者が陥りがちな誤解、そしてPERを活用した株価の評価方法について解説します。
PERとは?
PER(Price Earnings Ratio)は、株価収益率とも呼ばれ、企業の株価を1株当たりの利益で割った値です。
この数値が示すのは、一株あたり利益の何倍まで買われているかということです。
PERは以下の式で求めることができます。
PER=株価÷1株の利益(EPS)
例えば、株価が300円、1株の利益が20円であれば、
300(株価)÷20(1株の利益)=15(PER)
となり、PER15倍(一株あたり利益の15倍まで買われている)と判断できます。
PERの目安
多くの初心者が、低いPERは「割安」、高いPERは「割高」と単純に解釈しがちです。
しかし、業界や市場環境によって、適正なPERは異なります。単純に数字だけで判断するのは危険です。
株式投資初心者のためのPER活用法
現在の株価が割高かどうかを判断するためには、過去3年間の平均PERやTTMのPERと現在のPERを比較するのが有効です。
TTMのPER(Trailing Twelve MonthsのPER)は、過去12ヶ月間の実績ベースのPERを意味します。これを用いることで、最新の実績に基づく株価の評価が可能になります。
これらのデータは、米国株については、FinanceCharts.comで確認できます。
PERを活用する際の注意点
ただし、グロース株や上場したばかりの企業のように、高い成長が期待される企業やまだ収益が安定していない企業に対しては、PERだけを基にした評価は難しいことがあります。
- グロース株: 成長が期待される企業の株価は、将来の利益増加を反映して現在の株価が高騰していることが多いため、現在のPERが高くなりがちです。しかし、これは将来の成長を反映したものであり、現在のPERだけを見て割高と判断するのは早計となる場合があります。
- 上場したばかりの企業: 上場直後の企業は、事業展開の初期段階や投資が増加する時期であることが多く、収益が安定していない場合が多いです。このため、PERが非常に高くなるか、逆に非常に低くなる場合があります。
バリュー株、つまり本来の価値よりも低い価格で取引されていると考えられる株に対しては、PERをはじめとする伝統的な財務指標を基にした評価が有効です。
これは、バリュー株の特徴として、収益が比較的安定しており、将来の成長よりも現在の収益を重視する投資スタンスが求められるためです。
したがって、株の評価を行う際には、その企業の特性や業界の状況、経済環境などを考慮に入れ、複数の指標や情報を組み合わせて分析することが重要です。
株式投資の注意点
- また、PERだけでなく、財務諸表に関する知識など、複数の情報や指標を組み合わせて、より正確な投資判断を行うことが大切です。
- 財務諸表に関する知識が全くない方は、「たった10日で決算書がプロ並みに読めるようになる」を読んでみることをお勧めします。