東洋水産<2875>の株は買うべき?
東洋水産の業績や財務状況を知りたいけど、自分で調べるのは大変。。
そんな悩みを抱える個人投資家のため、最新の東洋水産の決算内容や財務諸表を解説します。
今回は、東洋水産の最新の決算内容や財務諸表を解説します。
この記事を読めば、東洋水産の株を買うにあたって、最低限知っておくべき東洋水産の現在の業績や財務状況を把握することができます。
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東洋水産とは?
東洋水産は、日本の食品会社で、主にインスタントラーメンやスナック食品を製造・販売しています。
1960年に創業し、特に「赤いきつねうどん」と「緑のたぬき天そば」で知られています。
東洋水産は、高品質で手軽な食品を提供することで、国内外で広く認知されており、特にアメリカ市場では「Maruchan」ブランドで人気を博しています。
最新の決算
東洋水産は、10月31日に2024年第2四半期決算を発表しています。24年3月期第2四半期累計(4月から9月)の連結経常利益は前年同期比65.1%増の336億円に拡大し、従来予想の270億円を上回りました。
併せて、通期の同利益を従来予想の550億円から570億円(前期は437億円)に3.6%上方修正し、増益率が25.8%増から30.4%増に拡大し、従来の2期連続での過去最高益予想をさらに上乗せしました。
また、業績好調に伴い、今期の年間配当を従来計画の100円から120円(前期は100円)に増額修正しました。
直近3ヵ月の実績である7月から9月期(2Q)の連結経常利益は前年同期比2.0倍の183億円に急拡大し、売上営業利益率は前年同期の7.5%から13.4%に急改善しました。
年間配当と配当利回りの推移
東洋水産の年間配当は2020年の80円から2023年に100円に増加し、同期間の利回りも1.53%から1.8%へ上昇しました。
2022年は配当90円で利回りが2.06%に達し、2024年の配当は予想で120円です。
なお、1月9日時点の配当利回りは、1.3%となっています。
総還元性向
総還元性向とは、会社が儲けた利益を、配当や自社株買いという形で、株主に対してどれくらい還元しているかを表す指標です。
総還元性向が高いほど、株主還元に力を入れている企業であることを示します。
ただし、株主への還元が多いことは、設備投資などに使用できる資金が少なくなる可能性があることに留意する必要があります。
東洋水産の総還元性向は、2019年に38.8%でしたが、2020年と2021年にはそれぞれ35%、31.6%へと減少しました。
2022年に41%へ上昇した後、2023年には再び30.8%に低下しました。
売上高の推移
東洋水産の四半期売上高は、2021年第3四半期の895.52億円から2024年第2四半期には1,237.09億円に増加しました。
前年同期比での成長率については、2023年第1四半期には23.3%、第2四半期には26.4%と大幅な成長率を記録し、2024年第1四半期と第2四半期の成長率はそれぞれ7.8%と12.7%でした。
経常利益とは?
経常利益は、本業における利益だけでなく、企業の持つ株の運用利益など、事業を行って得た利益です。
経常利益は、売上高と営業外収益を足した値から、販売した商品の原価である売上原価と、販売のためのコストである販管費、営業外費用を除くと求めることができます。
経常利益の推移
東洋水産の四半期経常利益は、2022年第3四半期以降、前年同期比で増加し、2024年第2四半期には前年同期比103.0%の大幅な成長を達成し、183.69億円になりました。
特に2023年第4四半期以降、経常利益の成長率は顕著に上昇し、安定した利益増加を示しています。
経常利益率
経常利益率は、売上高に占める経常利益の割合を示したものです。
この割合が高いほど、本業以外の収益や費用を含めた会社全体の収益力が強いと判断できます。
東洋水産の四半期ごとの経常利益率は、2022年第3四半期の10.93%から2024年第2四半期に14.85%へと上昇しました。
特に2024年度は、第1四半期に13.74%から始まり、利益率の持続的な改善を示しています。各四半期での変動はありますが、全体的に利益率は上向きの傾向にあります。
アクルアールとは?
アクルアールは、企業が現金収入を伴った質の高い利益をあげているかを判断する指標です。
具体的には、アクルアールは純利益から営業キャッシュフローを引いた値で計算されます。
アクルアール=純利益(特別損益を除く)ー営業キャッシュフロー
純利益は、全ての収入から全ての支出を除いた利益であり、いわゆる会計上の利益です。
他方、営業キャッシュフローは、企業が営業活動で生み出した現金の額です。
例えばA社のように、アクルアールがマイナスの場合、企業が多くの現金を営業活動から生み出し、現金収入が会計上の利益を上回っていることを意味します。これはA社が現金収入を伴う質の高い利益を生み出していることを示します。
逆に、B社のようにアクルアールがプラスの場合は、現金収入が会計上の利益を下回り、現金収入を伴わない質の低い利益を生み出している状況を示しています。
アクルアール
東洋水産の年間アクルアールは2019年の-123.27億円から2023年に-87.28億円へと改善し、一貫してマイナス値を示しています。
これは営業活動による現金収入が純利益を上回り、会社の財務健全性と質の高い利益を示しています。
なお、基本的な財務諸表の読み方やアクルアールなどの財務指標については、「たった10日で決算書がプロ並みに読めるようになる! 会計の教室」という本で、初心者向けに分かりやすく解説されていますので、より詳しい内容を知りたい方はそちらをご覧ください。
自己株式調整済み負債比率とは?
自己株式調整済み負債比率は、企業の抱える純資産(自己株式を除く)に対して、負債がどれだけの割合を占めているのかを表す指標です。
自己株式調整済み負債比率は、以下の式で求めることができます。
自己株式調整済み負債比率=負債÷(純資産ー自己株式)
純資産は自社株買いによって比較的容易に増やすことが可能であるため、その影響を排除するために純資産から自己株式を除いています。
この比率が低ければ低いほど、純資産に対して負債が少なく、財務が健全であると見なされます。
「史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力」によると、自己株式調整済み負債比率が0.80を下回ることが望ましいとアメリカの著名な投資家である、ウォーレン・バフェットは言います。
自己株式調整済み負債比率
東洋水産の自己株式調整済み負債比率は、一貫して0.23前後で安定しており、ウォーレン・バフェットが推奨する0.80を大きく下回っています。
この低い比率は、同社の純資産に対する負債が少なく、財務が健全であることを示しています。