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歴史的に見ると割安? 株価1,000ドルへ エヌビディア

歴史的に見ると割安? 株価1,000ドルへ エヌビディア

今回は人気の米国株で、2023年2月21日に決算を発表したエヌビディアの最新の決算と財務諸表を解説します。

エヌビディア(NVIDIA)はアメリカのテクノロジー企業で、特にグラフィックスプロセッサユニット(GPU)の製造で有名です。

GPUは、コンピュータグラフィックスの処理に特化したコンピューターの中心的な部品です。

元々はビデオゲームや3Dグラフィックスの動作を高速化するために設計されましたが、

その高い並列処理能力から、現在では人工知能(AI)、ディープラーニング、科学計算など、さまざまな分野で幅広く使用されています。

GPUのこのような能力は、特にAIとディープラーニングの分野で重要で、その高速処理能力が大きな役割を果たしています。

また、エヌビディアの技術は、データセンターやクラウドコンピューティングにも広く使われており、高性能なコンピューティングの分野で重要な役割を果たしています。

基本情報は、こちらの表のとおりです。

この記事を読めば、エヌビディアの株を買うにあたって、最低限知っておくべきエヌビディアの業績や財務状況を把握することができます。

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株価のチャート

株価のチャートは、こちらのとおりです。

2022年10月頃に株価は、308ドルまで下落しましたが、その後上昇し、現在の株価は788ドルで、高値圏にあることが確認できます。

PERの推移

PERは、Price Earnings Ratioの略称で、時価総額を純利益で割るか、株価を一株当たりの利益で割ることで求めることができます。

これは、株価と企業の収益力を比較することによって株式の投資価値を判断する指標として用いられます。

この倍率が高いほど、株価は割高と判断されます。

エヌビディアのPERの推移を見ると、2024年2月23日現在のPERは66.07倍です。

過去1年間の平均では116.64倍、過去3年間の平均では98.26倍、過去5年間の平均では89.23倍となっており、5年間の中央値は69.38倍です。

このデータから、エヌビディアの株価は近年高い評価を受けていることが分かりますが、最近のPERは過去の平均値や中央値よりも低下している傾向が見られます。

PBRの推移

PBRとはPrice Book-value Ratioの略で、株価を1株当たりの純資産で割ったものです。

これは、現在の株価が企業の資産価値に対して割高か割安かを判断する指標として用いられます。

この倍率が高いほど、株価は割高と判断されます。

2024年2月23日時点でのエヌビディアのPBRは45.19倍で、過去1年間の平均は39.08倍、過去3年間の平均は32.20倍、過去5年間の平均は27.98倍です。

これらの数値は、過去5年間の中央値20.84倍と比較しても高いことが分かります。

最新の決算

エヌビディアは、2024年2月21日に2024年第4四半期決算を発表しています。

EPSについては、アナリスト予想4.64ドルに対して、結果5.16ドルで、アナリスト予想を上回りました。

四半期の売上高については、アナリスト予想206億2000万ドルに対して、結果221億ドル、前年同期比265%増で、アナリスト予想を上回りました。

通期の売上高は、アナリスト予想592.6億ドルに対して、結果 609 億ドル、前年比126% 増となり、アナリスト予想を上回りました。

エヌビディアは次期四半期の売上高のガイダンスも発表しています。

次期四半期の売上高については、アナリスト予想221億7000万ドルに対して、結果240億ドル、前年同期比約233.7%増で、アナリスト予想を上回りました。

CEOのファン氏は、カンファレンスコールで「ファンダメンタル的には、2025年以降も成長し続けるための好条件が揃っている」と語っています。

同氏は、同社のGPUに対する需要は、生成AIや、業界全体がセントラル・プロセッサーからエヌビディアが製造するアクセラレーターと呼ばれるハードウェアにシフトしていることから、今後も高水準で推移するだろうと述べています。

2023年第4四半期の純利益は、122億9000万ドルと、昨年の14億1000万ドルと比較して、769%増加しました。

また、エヌビディアの売上高は、サーバー用AIチップ、特にH100などの同社の「ホッパー」チップの好調な販売に基づき、前年同期比で265%増加しました。

AIのGPUは今後も不足する見込み

エヌビディアのクレスCFOは、「エヌビディアのAI関連のGPUの供給が改善されたとはいえ、特に今年後半に出荷が予定されているB100と呼ばれる次世代チップは供給不足になる」との見通しを示しています。

また、クレス氏は、「ホッパーチップに対する需要は依然として非常に強い。需要が供給をはるかに上回っているため、次世代製品の供給が制約されることが予想される」とコメントしています。

中国に対する輸出規制

エヌビディアは、同社のデータセンターの収益が、中国への高度なAI半導体の輸出に対する米国の制限によって打撃を受けたと報告しています。

「我々は、制限が何であるかを理解し、いかなる方法でもソフトウェアハック可能でない方法で製品を再構成し、それには時間がかかったので、我々は中国への製品提供をリセットした 」、「今、我々は中国の顧客にサンプリングしている。」とファン氏は述べました。

直近4回分の決算のサプライズ率

EPS

2023年第1四半期から第4四半期までのEPSについては、全ての四半期で、アナリスト予想を上回っています。

アナリスト予想を何パーセント上回ったかを示すサプライズ率については、過去4四半期の平均は約19.54%となっています。

売上高

2023年第1四半期から第4四半期までの売上高については、全ての四半期で、アナリスト予想を上回っています。

アナリスト予想を何パーセント上回ったかを示すサプライズ率については、過去4四半期の平均は約13.04%となっています。

主要部門別の売上高

エヌビディは、主にデータセンター部門やゲーミング部門などの4つの主要部門を持っています。

データセンター部門の通期の売上高は、475億ドルで、エヌビディアの主要な収益源です。これは通期の主要部門の売上高全体の78.4%を占めています。

ゲーミング部門は104億ドル、全体の売上高の17.2%で、これに続きます。プロフェッショナル向けビジュアライゼーション部門は16億ドル、全体の2.6%を占めています。

自動車部門は11億ドルとなっています。

部門別の成長率

データセンター部門の通期の売上高は475億ドルで、前年比217%の大幅な成長を示しています。ゲーミング部門は104億ドルで15%の成長、プロフェッショナル向けビジュアライゼーション部門は16億ドルで1%の成長、自動車部門は11億ドルで21%の成長を記録しています。

営業利益とは?

営業利益は、企業が本業で稼いだ利益です。

営業利益は売上高から、販売した商品の原価である売上原価と、販売のためのコストである販管費を除くと求めることができます。

営業利益の推移

エヌビディアの営業利益は、2022年の第1四半期から第4四半期まで安定した成長を示しましたが、2023年の第1四半期から第4四半期にかけて大幅に減少しました。

特に第2四半期と第3四半期では、前年同期比で約80%の減少を記録しました。

しかし、2024年に入ると、第1四半期から第4四半期にかけて前年同期比で大幅に増加し、特に第2四半期から第4四半期にかけては、1000%前後の成長率を示しています。

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営業利益率とは?

営業利益率は、売上高に占める営業利益の割合を示したものです。

この割合が高いほど、企業の本業の稼ぐ力が強いと判断できます。

営業利益率

エヌビディアの営業利益率は、2024年に入ってからは利益率が大幅に向上し、全ての四半期で、前年同期の利益率を大幅に上回りました。

特に2024年第4四半期の利益率は、前年同期の20.76%から61.59%に上昇しています。

「利益」は意見、「キャッシュ」は現実

損益計算書(PL)に記載される売上高などの「利益」は、本来であれば来期に立つ売上を、今期の売上として計上することや架空の売上を立てることで、意図的に「利益」を過大に見せること、いわゆる粉飾が可能であり、明らかな粉飾でない限り、このような粉飾を見抜くことは難しいと言われています。

他方、キャッシュフロー計算書(CF)に記載される営業キャッシュフローなどの「キャッシュ」は、実際にどれだけの現金が出入りしたのかを表し、意図的な調整をする余地がありません。

そのため、会計の世界では、『「利益」は意見、「キャッシュ」は現実』、または『キャッシュフローは嘘をつかない』とされています。

また、損益計算書では黒字にも関わらず、倒産してしまう「黒字倒産」の原因は、売上が発生しても、その入金、現金収入が大幅に遅れ、企業が現金不足に陥ることで起こるとされています。

そのため、企業の「利益」だけでなく、企業の「キャッシュ」を確認することが重要です。

営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローは、企業の営業活動で得られた現金収入です。

エヌビディアの営業キャッシュフローは、2019年から2023年にかけて順調に増加しています。2019年には約47億ドルでしたが、2023年には約281億ドルまで大幅に伸びています。

特に2022年から2023年への増加が顕著で、企業のキャッシュフローの生成能力が強化されていることを示しています。

営業キャッシュフローマージンとは?

営業キャッシュフローマージンは、売上高に占める営業キャッシュフローの割合を示したものです。

この割合が高いほど、企業が売上から多くの現金収入を得ていることを意味し、現金を稼ぐ能力が高いと判断できます。

なお、「MarketHack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法」によると、営業キャッシュフローマージンは、理想として15%から35%程度あると素晴らしいとされています。

営業キャッシュフローマージン

エヌビディアの営業キャッシュフローマージンは、2019年には43.61%と高いレベルでしたが、2020年と2021年には34.91%、33.84%に低下しました。

2022年にはさらに下がり20.91%となりましたが、2023年には大幅に改善し、46.11%まで上昇しています。

アクルアールとは?

アクルアールは、企業が現金収入を伴った質の高い利益をあげているかを判断する指標です。

アクルアールは純利益から営業キャッシュフローを引いた値で計算されます。

アクルアール=純利益(特別損益を除く)ー営業キャッシュフロー

純利益は、全ての収入から全ての支出を除いた利益であり、いわゆる会計上の利益です。

他方、営業キャッシュフローは、企業の営業活動で得られた現金収入です。

例えばA社のように、アクルアールがマイナスの場合、企業が多くの現金を営業活動から生み出し、現金収入が会計上の利益を上回っていることを意味します。これはA社が現金収入を伴う質の高い利益を生み出していることを示します。

逆に、B社のようにアクルアールがプラスの場合は、現金収入が会計上の利益を下回り、現金収入を伴わない質の低い利益を生み出している状況を示しています。

アクルアール

エヌビディアのアクルアールの推移を見ると、2019年と2020年はマイナスの値で、これは営業キャッシュフローが純利益を上回っていることを意味し、高い現金生成能力を示しています。

しかし、2021年はプラスの値に転じ、会計上の利益が現金収入を上回っています。2022年は再びマイナスに戻り、2023年には16.7億ドルというプラスの値を示しています。

これは、2023年においては会計上の利益が現金収入を上回り、現金収入を伴わない利益が生じている状況を示しています。

自己株式調整済み負債比率とは?

自己株式調整済み負債比率は、企業の抱える負債が、純資産に対して何倍あるのかを示しています。

自己株式調整済み負債比率は、以下の式で求めることができます。
自己株式調整済み負債比率=負債÷(純資産ー自己株式)

この比率が低ければ、純資産に対して負債が少なく、財務が健全であると見なされます。

「史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力」によると、自己株式調整済み負債比率が0.80を下回ることが望ましいとアメリカの著名な投資家である、ウォーレン・バフェットは言います。

自己株式調整済み負債比率

エヌビディアの自己株式調整済み負債比率を見ると、2023年第4四半期は0.86で、バフェットが望ましいと言う0.80を上回っています。

しかし、その後の四半期では比率が減少し、2024年第3四半期と第4四半期には0.63と0.53となり、望ましいレベルを下回っています。

これはエヌビディアの財務状況が改善し、より健全になっていることを示しています。

固定長期適合率とは?

固定長期適合率は、企業の固定資産が、純資産と固定負債といった安定した資金で賄えているかどうかを示す指標です。

固定長期適合率は、以下の式で求めることができます。
固定長期適合率=固定資産÷(純資産+固定負債)

一般的に、この比率が100%以下であると、企業の固定資産が安定した資金でまかなえており、会社の財務状況が安定していると判断できます。

固定長期適合率

エヌビディアの固定長期適合率を分析すると、2023年第4四半期から2024年第4四半期にかけて、固定長期適合率は一貫して100%を下回っています。

これは、エヌビディアの固定資産が純資産と固定負債によって充分に賄われていることを示し、会社の財務状況が安定していることを意味します。

特に、2024年第3四半期と第4四半期には、比率が47.71%と38.81%に下がり、さらに安定した財務状況を反映しています。

総合評価

エヌビディアの成長性については、次期四半期の売上高を240億ドル、前年同期比約233.7%増を見込んでいることから、5点中5点とします。

効率性については、直近4四半期のうち、全ての四半期の営業利益率が前年同期の利益率を上回っていることから、5点中5点とします。

現金の生成能力については、2023年の営業キャッシュフローマージンが過去5年間で最も高いマージンであることや、過去5期間のうち、3つの期間のアクルアールがマイナスとなっていることから、5点中4点とします。

財務の安定性については、直近の自己株式調整済み負債比率が0.53であることや、直近の固定長期適合率が38.81%であることから、5点中4.5点としています。

割安性については、直近のPERが全ての期間の平均値と中央値を下回っていること、他方で直近のPBRが全ての期間の平均値と中央値を上回っていることや、次期四半期の売上高を240億ドル、前年同期比約233.7%増を見込んでいることから、5点中4点とします。

アナリスト予想に対するサプライズ度は、2023年第1四半期から第4四半期までのEPSと売上高が、全ての四半期でアナリスト予想を上回っていること、EPSの過去4四半期の平均サプライズ率は、約19.54%であることや、売上高の過去4四半期の平均サプライズ率は、約13.04%であることから、5点中5点とします。

従って、2024年2月23日時点の総合評価としては、30点中27.5点、SSランクとしました。

エヌビディアの評価では、成長性、効率性、現金の生成能力、財務の安定性、割安性、決算のサプライズ度の各項目で高い評価を与えることができます。

成長性と効率性は最高得点の5点、現金の生成能力は4点、財務の安定性は4.5点、割安性は4点、そして決算のサプライズ度も最高得点の5点です。

これらの高評価は、同社の強固な市場地位と、その業績の持続的な成長と効率性の高さを反映しています。

なお、この評価は、あくまでも簡易的に評価したものであり、実際の投資判断にあたっては、より総合的な評価を行うことをお勧めします。

また、配当利回りなどの要素は考慮していないことにご留意ください。

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