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通期予想 下方修正の懸念、オリックス、最新の決算&財務諸表を解説 2024年1月

通期予想 下方修正の懸念

オリックス は、2023年11月1日に2024年第2四半期決算を発表しています。

純利益は1281億円で前年同期比4.7%増にとどまり、据え置きの通期予想3300億円に対する進捗率は38.8%でした。

キャピタルゲインによる収益の進捗が低くとどまっている状況で、会社側では、下期に不動産、PE投資、再生エネルギー設備売却などを検討し、計画達成を目指すとしています。

タイミング次第では、通期予想 下方修正が懸念されています。

なお、直近3ヵ月の実績である7月から9月期(2Q)の連結税引き前利益は前年同期比18.0%増の950億円に伸び、売上営業利益率は前年同期の9.5%から11.8%に改善しました。

また、株主還元の方針については、当期純利益の1/3を配当、1/3を新規投資、1/3を内部留保および自己株取得にあてる基本方針を維持することとしています。

今回は、そんなオリックスの最新の財務諸表を解説します。

この記事を読めば、オリックスの株を買うにあたって、最低限知っておくべきオリックスの業績や財務状況を把握することができます。

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オリックスとは?

オリックス株式会社は、日本の大手金融グループです。

銀行、証券、リース、不動産など多岐にわたるサービスを提供しており、国内外に広範な事業を展開しています。

また、プロ野球チーム「オリックス・バファローズ」のオーナー企業としても知られています。

オリックスは、革新的な金融商品やサービスを通じて、企業や個人顧客に対して多様な金融ソリューションを提供していることで知られています。

年間配当と配当利回りの推移

オリックスの年間配当は、2020年の76円から2024年には94円へと増加していますが、同期間中の配当利回りは5.84%から減少傾向にあります。

このデータからオリックスの年間配当の額が増え続けていることが確認できます。

なお、1月12日時点の配当利回りは、3.39%となっています。

総還元性向とは?

総還元性向とは、会社が儲けた利益を、配当や自社株買いという形で、株主に対してどれくらい還元しているかを表す指標です。

総還元性向が高いほど、株主還元に力を入れている企業であることを示します。

ただし、株主への還元が多いことは、設備投資などに使用できる資金が少なくなる可能性があることに留意する必要があります。

総還元性向

オリックスの総還元性向は、2019年の30.2%から2021年には78.9%へと大幅に上昇し、株主還元に力を入れたことが窺えます。

しかし、2022年には49.0%へと減少し、2023年には56.1%に回復しました。

この変動は、オリックスが株主還元を重視しつつも、他の事業投資とのバランスを取っていることを示しています。

営業利益とは?

営業利益は、企業が本業で稼いだ利益です。
営業利益は売上高から、販売した商品の原価である売上原価と、販売のためのコストである販管費を除くと求めることができます。

営業利益の推移

オリックスの営業利益は、2022年第4四半期に大幅に減少したものの、2023年第3四半期から回復を見せ、2024年第1四半期には前年同期と同じ水準に戻り、2024年第2四半期には再び成長しました。

この推移は、営業利益が一時的な低迷から回復していることを示しています。

営業利益率とは?

営業利益率は、売上高に占める営業利益の割合を示したものです。
この割合が高いほど、企業の本業の稼ぐ力が強いと判断できます。

営業利益率

オリックスの営業利益率は、前年同期比で見ると、2023年第3四半期と第4四半期に大幅な改善が見られ、2024年第1四半期と第2四半期でも前年同期より向上しています。特に2023年第4四半期の大幅な改善が顕著で、全体的に営業利益率が向上していることが分かります。

営業キャッシュフローマージンとは?

営業キャッシュフローマージンは、売上高に占める営業キャッシュフローの割合を示したものです。

営業キャッシュフローは、企業の営業活動で得られた現金収入です。

この割合が高いほど、企業が売上から多くの現金収入を得ていることを意味し、現金を稼ぐ能力が高いと判断できます。

営業キャッシュフローマージン

オリックスの営業キャッシュフローマージンは、2019年の24.14%から2021年にかけて上昇し47.79%に達しましたが、その後2022年に43.78%、2023年には34.24%と減少しました。

この流れは、一時的に現金を稼ぐ能力が高まった後、減少していることを示しています。

アクルアールとは?

アクルアールは、企業が現金収入を伴った質の高い利益をあげているかを判断する指標です。

具体的には、アクルアールは純利益から営業キャッシュフローを引いた値で計算されます。

アクルアール=純利益(特別損益を除く)ー営業キャッシュフロー

純利益は、全ての収入から全ての支出を除いた利益であり、いわゆる会計上の利益です。

他方、営業キャッシュフローは、企業の営業活動で得られた現金収入です。

例えばA社のように、アクルアールがマイナスの場合、企業が多くの現金を営業活動から生み出し、現金収入が会計上の利益を上回っていることを意味します。これはA社が現金収入を伴う質の高い利益を生み出していることを示します。

逆に、B社のようにアクルアールがプラスの場合は、現金収入が会計上の利益を下回り、現金収入を伴わない質の低い利益を生み出している状況を示しています。

アクルアール

オリックスの年間アクルアールは、2019年の約-2,639億円から2021年には約-8,989億円へと増加しましたが、2022年に約-7,858億円、2023年には約-6,400億円と減少しました。

このマイナスのアクルアールは、オリックスが会計上の利益を上回る現金収入を得ていることを示し、質の高い利益を生み出していることを反映しています。

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