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ファッションフロンティアの開拓者 ZOZO 最新の決算&財務諸表を解説 2024年1月

ZOZOの株は買うべき?

ZOZOの業績や財務状況を知りたいけど、自分で調べるのは大変。。
色々財務指標があるけど、とりあえずどれを見ればいいの?

そんな悩みを抱える個人投資家のため、最新のZOZOの決算内容や財務諸表を解説します。

この記事を読めば、ZOZOの株を買うにあたって、最低限知っておくべきZOZOの現在の業績や財務状況を把握することができます。

この記事が皆様の銘柄選定のお役に立てれば、光栄です。

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ZOZOとは?

ZOZOは、日本の大手ファッション関連企業で、オンラインによる衣服の販売を主なビジネスとしています。特に知られているのは、オンラインファッションストア「ZOZOTOWN」です。ZOZOTOWNは、多数のブランドの新品・中古品を販売するプラットフォームで、日本国内だけでなく国際的にも人気があります。

ZOZOは技術革新にも力を入れており、かつては体型に合わせた服をオーダーできる「ZOZOSUIT」という特殊な測定スーツを開発し、話題になりました。このスーツを使って自宅で簡単に正確な体型測定ができ、そのデータを基に服を選ぶことが可能になります。

また、新型コロナのパンデミックが収束し、経済活動が正常化するにつれて、外出に伴うファッションの需要が増加することが予想されます。

これにより、ファッション業界全体、特にZOZOのようなオンラインリテーラーにとっては、売上の増加が期待されます。

最新の決算

ZOZOは、10月31日に2024年第2四半期決算を発表しています。

24年3月期第2四半期累計(4月から9月)の連結経常利益は前年同期比6.1%増の291億円に伸び、通期計画の600億円に対する進捗率は5年平均の45.5%を上回る48.5%に達しました。

 同時に、今期の年間配当を従来計画の71円から98円(前期は65円)に大幅に増額修正を行いました。

 配当方針としては、余剰資金についてはこれまで以上に積極的に株主へ還元していくこととし、今後、自己株式の取得も含めた総還元性向は中長期の通算(概ね5年平均)で80%超を目指す方針を打ち出しました。

配当利回り

配当利回りは、株式を買う金額(株価)に対して、1年間に何%のリターンが配当金として得られるかを示しています。

2019年に1.15%だった配当利回りは、2020年に大きく跳ね上がり2.07%に達しました。

翌2021年には配当利回りが1.25%に下がり、これは配当の減少や株価の上昇に関連している可能性があります。

しかし、2022年には再び上昇し1.77%となり、最終的に2023年には2.24%に到達しました。

この5年間での配当利回りは、増加傾向にあることが分かります。

総還元性向

総還元性向とは、会社が儲けた利益を、配当や自社株買いという形で、株主に対してどれくらい還元しているかを表す指標です。

総還元性向が高いほど、株主還元に力を入れている企業であることを示します。

ただし、株主への還元が多いことは、設備投資などに使用できる資金が少なくなる可能性があることに留意する必要があります。

ZOZOの総還元性向についてのデータを2019年から2023年までの期間で見ると、その変動が顕著です。

2019年には198.7%という非常に高い総還元性向を記録し、これは稼いだ利益を大幅に上回る還元を行っていたことを意味します。大規模な自社株買いが行われたことが要因の一つとなっています。

しかし、このような高水準は通常持続可能ではなく、その後2020年と2021年には総還元性向がそれぞれ49%、40.5%へと低下し、これは株主還元を抑えて他の事業活動に資金を回した可能性を示唆しています。

そして2022年には再び総還元性向が143.2%まで跳ね上がり、大きな株主還元が再び行われたことを示しています。しかし、この高い総還元性向も長期にわたって維持することは難しいため、2023年には再び49.3%に落ち着き、より持続可能な株主還元の水準へと戻ったと考えられます。

このようにZOZOは過去5年間で株主還元政策において大きな変動を見せています。高い総還元性向が株主にとっては魅力的かもしれませんが、企業の持続的な成長や財務安定性の観点からは、バランスの取れたアプローチが必要です。企業は株主還元と事業投資の間で適切な均衡を見つけることが重要であり、ZOZOの場合、そのバランスが時間をかけて調整されているように見受けられます。

売上高の推移

全体的に見ると、売上高は成長傾向にあります。
2021年第3四半期の419.88億円から始まり、2024年第2四半期には443.46億円に達しています。この成長は、新規顧客の獲得、既存顧客の購買力の増加、商品ラインナップの拡充、市場シェアの拡大などによるものです。

売上高 前年同期比での成長率

2022年第3四半期では13.3%という顕著な成長を記録しましたが、その後の2022年第4四半期から2023年第4四半期にかけて、成長率は9.0%から10.7%という範囲で安定しています。これはZOZOが市場で安定した地位を築いていることを示し、一定の成長パターンを保っていることを意味しています。

しかしながら、2024年第1四半期と第2四半期においては、成長率が7.7%まで低下しています。この成長の減速は、市場の変化や競争の激化、経済状況の変動など、多岐にわたる要因が関連している可能性があります。

このように、ZOZOは一貫して成長を遂げていますが、最近になって成長率が減少していることは、市場環境の変化に対する警戒と適切な対応が求められています。安定した成長が見られるとはいえ、市場の動きに注目し、ビジネス戦略を柔軟に調整することが、今後の成長維持のために重要となります。

営業利益とは?

営業利益は、企業が本業で稼いだ利益です。

営業利益は売上高から、販売した商品の原価である売上原価と、販売のためのコストである販管費を除くと求めることができます。

営業利益の推移

2023年と2024年の四半期では、営業利益は前年の同期と比較して増加しており、特に2023年第3四半期の174.25億円は顕著な高さを示しています。このような利益の増加は、効率的なコスト管理、強い売上高、またはその両方の結果である可能性があります。

総じて、ZOZOの営業利益の動向は、市場での地位の強化と経営戦略の効果を反映していると言えます。

営業利益 前年同期比での成長率

2022年第3四半期では8.0%の成長率を記録し、これは安定した成長を示しています。しかし、2022年第4四半期には成長率が5.0%に低下し、ここから2023年第1四半期と第2四半期にかけて成長が加速し、それぞれ13.7%、15.2%となりました。この時期の成長は、効率的な経営戦略や市場でのポジショニングの改善が影響している可能性があります。

2023年第3四半期にはさらに成長が強まり、16.3%の成長率を達成しましたが、続く2023年第4四半期には成長率が8.4%に減少し、成長の勢いにブレーキがかかったことが見受けられます。2024年に入ってもこの傾向は続き、第1四半期は10.8%、第2四半期は1.3%と、成長率は徐々に落ち込んでいます。

このように、ZOZOの営業利益成長率は一定の変動を示しており、特に最近の四半期では成長のペースが落ちていることがわかります。この変動は、市場環境の変化、競争圧力の増加、あるいは内部のコスト管理の変化など、多様な要因に起因する可能性があります。

営業利益率

営業利益率は、売上高に占める営業利益の割合を示したものです。

この割合が高いほど、企業の本業の稼ぐ力が強いと判断できます。

2022年第3四半期の営業利益率は31.51%と非常に高く、この時点でのZOZOの収益性は非常に強かったことがわかります。しかし、続く2022年第4四半期では25.64%に低下しています。

2023年に入ると、営業利益率は再び上昇し、例えば、第3四半期では33.06%と安定して高い水準を維持しています。ただし、2023年第4四半期には再び下落し25.10%になっています。

2024年には、営業利益率はさらに上昇し、第1四半期では34.58%という高い水準を示していますが、第2四半期では29.47%に減少しています。

これらの変動は、ZOZOのビジネスモデルや市場環境、販売戦略、コスト管理の効果など、様々な要因によるものと考えられます。

営業利益率の変動は、企業の収益性がどのように変化しているかを示す重要な指標であり、経営の効率性や市場での競争力を評価する上で役立ちます。ZOZOにとっては、これらの数値を維持または改善するための戦略を継続的に取り続けることが重要となるでしょう。

営業キャッシュフローとは?

営業キャッシュフローは、企業が営業活動でどれだけの現金を生み出しているかを示しています。

この指標は、単に売上高などの会計上の利益を上げているだけでなく、その利益が現金として実際に会社の手元に流れ込んでいるかを反映しています。

営業キャッシュフロー

2019年には148.07億円の営業キャッシュフローがありました。続く2020年には、営業キャッシュフローが247.89億円へと大きく増加しました。

2021年には営業キャッシュフローがさらに増え、448.9億円に達しました。この増加は、売上の更なる成長、コスト管理の改善、資金回収の効率化などが組み合わさった結果と考えられます。

しかし、2022年には営業キャッシュフローが398.95億円に減少し、2023年には366.71億円と更に減少しています。

このように、ZOZOの営業キャッシュフローは当初の大幅な増加から減少に転じています。営業キャッシュフローは企業の健全性と持続可能性を評価する上で重要な指標であり、ZOZOはこれを改善するための戦略を考える必要があるでしょう。

営業キャッシュフロー 前年同期比での成長率

2020年、ZOZOの営業キャッシュフロー成長率は67.4%と非常に高い成長を達成しました。これは、前年に比べて営業活動からの現金流入が大幅に増加したことを意味しています。

続いて2021年には、さらに高い80.7%の成長率を記録しました。この連続した高い成長率は、ZOZOの営業活動が非常に効果的であることを示しており、売上の成長、コストの効率化、資金回収プロセスの最適化などが組み合わさった結果と考えられます。

しかし、2022年には営業キャッシュフロー成長率が-10.9%に転じ、これは営業活動からの現金流入が前年に比べて減少したことを意味しています。2023年にもこの減少傾向は続き、成長率は-8.1%になりました。

営業キャッシュフローマージンとは?

営業キャッシュフローマージンは、売上高に占める営業キャッシュフローの割合を示したものです。

この割合が高いほど、企業が売上から多くの現金を生み出していることを意味し、現金を稼ぐ能力が高いと判断できます。

なお、「MarketHack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法」によると、営業キャッシュフローマージンは、理想として15%から35%程度あると素晴らしいとされています。

営業キャッシュフローマージン

2019年の営業キャッシュフローマージンは12.51%でした。これは、売上高の約12.51%が営業キャッシュフローとして企業に流れ込んでいることを意味します。

2020年にはこのマージンが19.75%に増加しました。この増加は、売上が増えると同時に、それに比例してまたはそれ以上に現金が生み出されていることを示しています。

2021年には営業キャッシュフローマージンがさらに高まり、30.39%に達しました。この高いマージンは、ZOZOが売上から非常に効率的に現金を生み出していることを示しています。

しかし、2022年にはこのマージンが24.00%に減少し、2023年も19.99%とさらに下がっています。この減少は、売上の成長が鈍化しているか、売上に対して現金を生み出す効率が低下していることを示唆しています。

このように、ZOZOの営業キャッシュフローマージンは、2019年の増加から徐々に減少に転じています。

アクルアールとは?

アクルアールは、企業が現金収入を伴った質の高い利益をあげているかを判断する指標です。

具体的には、アクルアールは純利益から営業キャッシュフローを引いた値で計算されます。

アクルアール=純利益ー営業キャッシュフロー

  • 例えば、A社のようにアクルアールがマイナスの場合、企業が営業活動から多くの現金を生み出しており、その現金収入が会計上の利益を上回っている状況を示しています。この場合、A社は現金収入を伴う質の高い利益を生み出していると考えられます。
  • 他方、B社のようにアクルアールがプラスの場合、現金収入が会計上の利益を下回っている状況を示しています。この場合、B社は現金収入を伴わない質の低い利益を生み出していると考えられます。

アクルアール

2019年にZOZOのアクルアールは11.78億円でした。この正の値は、会計上の純利益が営業キャッシュフローを上回っていることを示しており、現金収入が純利益を下回っている状況を示しています。

しかし、2020年にはアクルアールが-59.85億円に転じ、2021年にはさらに低下して-138.58億円になりました。これは営業活動からの現金収入が会計上の利益を大きく上回っていることを示し、ZOZOが質の高い利益を生み出している状況を反映しています。

2022年にはアクルアールが-54.03億円に改善しました。

一方で、2023年にはアクルアールが28.55億円になり、再び正の値を示しています。これは、会計上の純利益が営業キャッシュフローを上回っていることを意味し、現金収入が純利益に追いついていない状況を示しています。

なお、基本的な財務諸表の読み方やアクルアールなどの財務指標については、「たった10日で決算書がプロ並みに読めるようになる! 会計の教室」という本で、初心者向けに分かりやすく解説されていますので、より詳しい内容を知りたい方はそちらをご覧ください。

自己株式調整済み負債比率とは?

自己株式調整済み負債比率は、企業の抱える純資産(自己株式を除く)に対して、負債がどれだけの割合を占めているのかを表す指標です。

自己株式調整済み負債比率は、以下の式で求めることができます。
自己株式調整済み負債比率=負債÷(純資産ー自己株式)

純資産は自社株買いによって意図的に増やすことが可能であるため、その影響を排除するために純資産から自己株式を除いています。

この比率が低ければ低いほど、純資産に対して負債が少なく、財務が健全であると見なされます。

「史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力」によると、自己株式調整済み負債比率が0.80を下回ることが望ましいとアメリカの著名な投資家である、ウォーレン・バフェットは言います。

自己株式調整済み負債比率

2023年第2四半期に3.42の比率を記録していたZOZOは、その後連続してこの比率を下げ、2024年第1四半期には2.21となりました。さらに、2024年第2四半期には1.75まで低下し、これは企業の財務状態が改善していることを示しています。

ウォーレン・バフェットが「自己株式調整済み負債比率が0.80を下回ることが望ましい」と述べていることを考慮すると、ZOZOの比率はまだこの基準を超えていますが、明らかに改善の方向に向かっています。この傾向が続けば、将来的にはさらに財務の健全性が高まる可能性があります。

固定長期適合率とは?

固定長期適合率は、企業の固定資産が、純資産と固定負債といった安定した資金で賄えているかどうかを示す指標です。

固定長期適合率は、以下の式で求めることができます。
固定長期適合率=固定資産÷(純資産+固定負債)

一般的に、この比率が100%以下であると、企業の固定資産が安定した資金でまかなえており、会社の財務状況が安定していると判断できます。

固定長期適合率

2023年第2四半期には36.14%、第3四半期には33.09%という比率を示し、固定資産が純資産と固定負債によって十分に賄われていることがわかります。2023年第4四半期には38.60%、2024年第1四半期には39.79%に上昇し、2024年第2四半期でも38.11%となっています。

これらの数値は、ZOZOの固定資産が安定資金によって効果的に賄われており、財務構造が健全であることを示しています。

総合評価

ZOZOの総合評価は、S,A,B,C,Dのうち、「B」ランクとします。

ZOZOは市場での地位を確立し、財務面で安定しており、成長を続けている企業と言えます。

ただし、営業キャッシュフローの減少傾向やアクルアールの最近の変化など、注意が必要な点もあります。

これらの要素を総合的に評価すると、ZOZOは「B」ランクに位置付けることが適切と考えられます。高い成長性と安定した財務構造を持ちながらも、一部の指標での改善の余地があるためです。

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