米国株(US STOCK)

【買い? or 売り?】TSLA 最新決算(Q1-2023)&財務分析レビュー Latest earnings & financial analysis

こんな疑問に答えます。

「TSLA(テスラ)の株を持っているけど、このまま持ちつづけて大丈夫?」

「EV(電気自動車)関連の会社といえば、TSLA(テスラ)の業績は、どうなっているんだろう」

今回は、 こんな疑問に答えるべく、ティッカーシンボル、TSLA、テスラの2023年第1四半期決算について、財務分析を行っていきます。

【1】TSLAのPER

まずは、現在のTSLAの株価が割高かどうかを判断するために、株価が割高かどうかを判断する指標となるPERを見てみましょう。

・2023年5月19日時点で、過去3年間の平均PERは、約190倍

・2023年5月19日時点で、過去12ヶ月間の平均PERは、約66倍

・2023年5月19日時点でのPERは、約52倍

・(PERが大きく下がった)2022年12月31日時点でのPERは、約34倍

となっています。

昨年12月ほどではないですが、3年ないし1年間の平均PERを踏まえれば、株価は安値圏にある可能性があります。

【2】株価が安ければ買うべき?

しかし、いくら安い価格でその会社の株を買えたとしても、株を買った会社の財務状況がボロボロで、業績不振では、いつまで経っても株価が上がらず、最悪の場合、会社が倒産して株価が紙切れ(無価値)になってしまうなど、大損してしまう可能性があります。

そのため、いくらで買うかだけでなく、何を買うのかも重要であり、会社の財務状況を分析し、その企業(ビジネス)が上手くいっているのかを理解することが必要です。

それでは、TSLAの財務分析を行っていきましょう。

【3】TSLA 2023年第1四半期決算の結果

2023年4月19日にTSLAは第1四半期決算を発表し、

・第1四半期のEPSは、アナリスト予想0.85ドルに対し、結果0.85ドル

⇒アナリスト予想に一致(

・売上高は、アナリスト予想232.1億ドルに対し、結果233.29億ドル

⇒アナリスト予想をクリア(

・売上高成長率は、前年同期比+24.38%

という結果でした。

売上高

過去8四半期の売上高については、2022年第2四半期に減速したものの、概ね右肩上がりの傾向が見られます。

売上高成長率

一方で、今期の売上高成長率については、過去8四半期で最低の24.38%となっており、減速傾向が見られます。

この点については、過去8四半期で最低の数字というネガティブな見方もある一方で、これまでは、急激なペースで売上高が成長してきた結果、対前年比との比較がきつくなっているだけであり、会社としては順調に成長している、気にしなくても良い、という見方もできると思います。

皆さんはどう考えられますか?

コメント欄でご意見をお聞かせいただければ幸いです。

純利益

次は、企業の収益力を表す純利益についてです。

純利益は、企業が稼いだ利益から法人税などの社会的コストを差し引いた、純粋な企業活動の成果を表しています。

また、 税引き後利益とも言われます。

直近12ヶ月間の純利益で見ると、今期の純利益は、117.9億ドルとなり、前年同期比で見た成長率は、40.36%でした。

2021年から2022年の間、凄まじい勢いで、純利益が成長していたTSLAですが、過去8四半期で初めて成長率50%を切ってしまいました。

ただ、売上高成長率と同様に、これをネガティブに評価するのか、ポジティブに評価するのかは意見が分かれるところだと思います。

TTMとは

なお、この表にはTTMという表記がありますが、これは直近12ヶ月という意味です。

主に企業の財務会計などで、直近12カ月間の財務指標を評価する際に使用されます。

何故12ヶ月間なのかというと、企業の業績や財務状況を正確に評価するためには、ある程度長期間のデータを見る必要があるからです。

純利益率

次は純利益率です。

純利益率は、売り上げ高に占める純利益の割合です。

企業の総合的な収益力を示す指標です。

この値が高いほど、企業の稼ぐ力が強いと判断できます。

今期の純利益率は、13.70%となっており、2022年の第3四半期以降、一定の水準を維持しています。

また、同じ自動車会社である、ティッカーシンボルF、フォードとティッカーシンボルGM、ジェネラルモーターズの純利益率は、このようになっています。

青色の折れ線グラフがフォード(F)で、緑色の折れ線グラフがジェネラルモーターズ(GM)です。

営業方針がそれぞれの会社によって異なるため、これのみを持って企業の優劣を判断することはできませんが、2022年第1四半期から赤色の折れ線グラフのTSLAが頭一つ抜けている印象を受けます。

営業キャッシュフロー

次は、企業の経営状況の安定性を表す営業キャッシュフローです。

営業キャッシュフローは、企業が、商品販売やサービス提供で得た収入から、仕入れや営業活動に必要な諸費用を差し引いて手元に残った現金のことです。

この営業キャッシュフローが潤沢な企業ほど、手元に現金が残り、外部からの資金調達に依存する必要性が少ないため、経営が安定すると考えられます。

2022年の営業キャッシュフローは、約147億ドルとなっており、1年ごとに順調に増加している傾向が見られます。

営業キャッシュフローマージン

売上高に占める営業キャッシュフローの割合を示す営業キャッシュフローマージンについては、2020年から2022年の3年間は、18%以上を維持しています。

業種によって、望ましい営業キャッシュフローマージンの値は異なりますが、ひとつの目安として、営業キャッシュフローマージンが15%以上であれば、経営状況が安定していると判断されています。

また、同じ自動車会社である、フォード(F)とジェネラルモーターズ(GM)の営業キャッシュフローマージンは、このようになっています。

青色の折れ線グラフが、フォード(F)で、緑色の折れ線グラフが、ジェネラルモーターズ(GM)です。

営業方針がそれぞれの会社によって異なるため、単純比較はできませんが、2021年から赤色の折れ線グラフのTSLAが頭一つ抜けている印象を受けます。

アクルアール

次は、現金収入を伴う質の高い利益をあげているかどうかを表すアクルアールです。

アクルアールは、 特別な事情により発生した損益(特別損益)を除いた純利益から営業キャッシュフローを引いて算出された値です。

アクルアールの値がマイナスとなる企業は、現金収入を伴った質の高い利益を生み出していると判断されます。

そのため、アクルアールの数値がマイナスで、その値が低ければ低いほど、現金収入が多く、質の高い利益を生み出していると判断することができます。

一方で、アクルアールの値がプラスとなる企業は、利益に対して現金収入が少なく、質の低い利益しか生み出せていないと判断されます。

今期のTSLAのアクルアールは、プラス500万ドルで、2期連続のプラスとなっています。

ROA

次は、会社が自身の保有している総資産を利用して、効率的に利益を上げているかを示すROAです。

ROAの数値が高ければ、 その会社が総資産を効率的に活用して利益をあげているということになります。

今期のTSLAのROAは、15.11%となりました。

また、フォード(F)とジェネラルモーターズ(GM)のROAは、このようになっています。

青色の折れ線グラフが、フォードで、緑色の折れ線グラフが、ジェネラルモーターズです。

営業方針がそれぞれの会社によって異なるため、単純比較はできませんが、特に2022年第1四半期から赤色の折れ線グラフのTSLAが頭一つ抜けている印象を受けます。

固定長期適合率

次は、会社の財務状況が安定しているかを表す固定長期適合率です。

固定長期適合率は、自己資本と固定負債の合計額に対する固定資産の割合です。

固定長期適合率が100%未満であれば、会社が保有している固定資産は、自己資本と固定負債といった安定した資金で賄われたものと判断できます。

そのため、仮に予想外の支出や損失が発生しても、直ちに資金繰りを心配する必要性が少ない健全な財務状況であると言えます。

なんだか難しいという方は、固定長期適合率が100%未満であれば、健全な財務状況の可能性があると理解していだければOKです。

今期の固定長期適合率は、72%であり、2022年の第2四半期以降、財務の健全化が図られていることが分かります。

2023年第1四半期決算内容の補足

次に、2023年第1四半期決算内容の補足情報です。

先ほど、直近12ヶ月間で見た純利益は117.9億ドル、前年同期比で見た純利益の成長率は、40.36%とお伝えしました。

他方で、 今期単体の純利益で見ると、今期単体の純利益は25億1000万ドルで、1年前の33億2000万ドルから24%減少しています。

また、今期の売上総利益率は 19.3% で、こちらは2020年末以降で最低の数字でした。

なお、売上総利益(粗利)は、売上高から商品やサービスの原価(※人件費等の販管費は含まれない)を引いた利益です。

売上総利益(粗利)率は、売上総利益(粗利)が売上高に占める割合です。

【4】まとめ

最後は、これまで行ってきた財務分析のまとめです。

まず、2023年第1四半期決算の結果について、EPSはアナリスト予想に一致し、売上高はアナリスト予想クリアという結果になりました。

次に、売上高、営業キャッシュフロー及びROAは、順調に増加していることが確認できました。

また、純利益率、営業キャッシュフローマージン及び固定長期適合率についても、良好な水準を維持しています。

一方で、売上高成長率は、過去8四半期で最低の水準であり、 アクルアールは、2期連続のプラスとなっています。

また、今期の売上総利益(粗利)率は 19.3% で、こちらは2020年末以降で最低の数字でした。

【5】筆者の所感

最後に所感です。

TSLAの財務状況については、総合的には優等生レベルで、健全と言ってよいかと思います。

ただし、売上高等の成長率の鈍化、アクルアールが2四半期プラスや売上総利益(粗利)率の低下を踏まえると、もう少し株価(PER)が下がる可能性があるかもしれません。

そのため、もしTSLAの株を買いたいのであれば、今から買うのもありですが、もう少し株価ないしPERが下がるのを待ってから、買うという戦略も面白いと思います。

また、もしTSLA、F、GMの中でどれかを買うのであれば、純利益率・営業キャッシュフローマージン・ROAが優秀なTSLAを選ぶと思います。

皆さんは、どう考えられますか? 是非コメント欄でご意見を聴かせていただければ幸いです。

【6】記事のリクエストを受け付けています!

最後まで記事をお読みいただきありがとうございました。

もし、この株を分析して欲しいなど、リクエストがあれば、コメント欄で教えていただければと思います。

-米国株(US STOCK)
-, ,