ASMLの2024年Q3決算解説はこちら↓
https://note.com/observatory393/n/nf14fd1754a4a
評価方法:
本評価はASMLの2024年第3四半期決算情報および過去の財務データに基づいています。
各項目は以下の基準で5段階評価を行っています:
★: 劣る - 業界標準を大きく下回る、または深刻な問題がある
★★: やや劣る - 業界標準をやや下回る、または改善の余地が大きい
★★★: 平均的 - 業界標準に近い、または一般的な水準にある
★★★★: やや優れる - 業界標準をやや上回る、または競争優位性がある
★★★★★: 優れる - 業界標準を大きく上回る、または卓越した強みがある
評価は、過去のトレンド、同社の市場地位、技術的優位性、および将来の成長ポテンシャルを考慮して行っています。
各指標の絶対値だけでなく、その推移や相互関係も分析に含めています。


詳細評価:
割安性: ★★★
根拠:
- PE比率は42で、過去3年平均(40.01)を4.96%上回っている。
- PB比率は17.45で、過去3年平均(19.39)より10.01%低い。
- 高いバリュエーションは、ASMLの市場独占的地位と将来の成長期待を反映。
- PB比率の改善は、純資産の増加(2023年に52.68%増)によるもの。
- 割高感はあるが、ASMLの技術的優位性と市場支配力を考慮すると妥当な範囲内。
キャッシュ生成能力: ★★★★★
根拠:
- 2023年の営業CFは€54.43億で、営業CFマージンは19.75%。
- フリーCFは€27.54億で、前年比63.07%減少しているが、これは積極的な投資活動の結果。
- 2023年の投資CFは€26.89億で、前年比161.37%増加。これは将来の成長に向けた戦略的投資を示唆。
- 高い営業CFマージンは、ASMLの価格決定力と効率的な運営を反映。
- 投資の増加にもかかわらず正のフリーCFを維持しており、財務の柔軟性を示している。
効率性: ★★★★★
根拠:
- 2024年Q3の営業利益率は32.7%で、高水準を維持。
- 2023年のROEは58.27%で、極めて高い資本効率を示している。
- 2023年のROAは19.62%で、総資産の効率的な活用を示唆。
- 当期純利益率は2023年に28.44%で、高い収益性を維持。
- これらの指標は、ASMLの強力な市場地位と高付加価値製品の提供能力を反映。
財務の安定性: ★★★★
根拠:
- 2023年の自己資本比率は33.67%で、前年の24.27%から大幅に改善。
- 純資産は2023年に52.68%増加し、€134.52億に。
- 負債総額は2023年に3.58%減少し、財務レバレッジの改善を示す。
- 流動比率(流動資産/流動負債)は2023年に1.49で、短期的な支払能力は良好。
- 半導体製造装置業界の資本集約的な性質を考慮すると、この財務構造は十分に健全。
成長性:★★★★
根拠:
- 2024年Q3の売上高成長率は11.9%で、短期的には鈍化しているが依然としてプラス成長。
- 2025年の売上高予想は€300億-€350億で、2023年比で8.86%~27.00%の成長を示唆。
- EUV装置の売上が11.9%増、ArFi装置が26.2%増と、高性能製品への需要が強い。
- 中国向け売上が127.9%増、米国向けが100.0%増と、地域別でも高成長を達成。
- AI関連需要の強さと次世代装置(High-NA)の開発が、将来の成長をサポート。
総合評価:
ASMLは半導体製造装置市場でほぼ独占的な地位を持ち、その財務指標はこの強力な市場ポジションを反映しています。高い効率性と優れたキャッシュ生成能力は、同社の技術的優位性と価格決定力を示しています。財務の安定性も着実に改善しており、積極的な投資を支える十分な基盤があります。短期的な成長鈍化はあるものの、AI需要やHigh-NA技術など、長期的な成長ドライバーは健在です。株価評価はやや高めですが、ASMLの市場支配力と将来の成長ポテンシャルを考慮すると、妥当な範囲内と言えるでしょう。
ASML 目標株価の算出
現在株価(2024年10月16日): 636.10 EUR
目標株価:?
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