窓からの柔らかな秋の日差しが差し込むオフィスで、きらくは淹れたてのコーヒーの香りを楽しみながら、モニターに映し出されたテスラの決算資料に目を通していた。テーブルには新作のホワイトチョコレートマカロンが添えられており、落ち着いた雰囲気が漂っている。
きらく「（コーヒーカップを優雅に手に取りながら）今日は2024年第3四半期の決算を、できるだけ詳しく見ていきましょう。興味深いポイントがたくさんあるわ」
銭太郎「（机の上のタブレットを覗き込みながら、目を輝かせて）お願いするゼニ！まず全体的な数字を教えてくれるゼニ！」
あおい「（黒縁メガネを軽く直しながら、真新しい手帳とお気に入りの万年筆を用意して）私もしっかりメモを取らせていただきます」
きらく「（モニター画面をスワイプしながら）まずは財務面からね。総売上高が251.8億ドルで前年同期比8%増、純利益が21.7億ドルで17%増を達成したわ。グロスマージンは19.8%で、営業利益率は前年同期の7.6%から10.8%へと大幅に改善したの」
銭太郎「（スマートフォンで素早く数字を確認しながら）市場予想との比較はどうだったゼニ？」
きらく「（マカロンを一口食べてから）売上高は市場予想の256.7億ドルを下回ったけれど…（コーヒーを一口飲んで）1株あたり利益は予想の0.60ドルを大きく上回る0.72ドルを達成したのよ」
あおい「（手帳に数字を丁寧に書き込みながら）生産台数と販売台数の詳細を教えていただけますか？」
きらく「（大きな壁面スクリーンに四半期の生産データを映し出しながら）ええ、具体的に見ていきましょう。生産台数は、Model 3とYが443,668台、その他モデルが26,128台で合計469,796台ね。販売台数は合計で462,890台、そのうち3%がリース販売だったわ」
銭太郎「（椅子から身を乗り出すように）部門別の業績も気になるゼニ！」
きらく「（タッチパネルを操作して部門別の円グラフを表示させながら）自動車部門は、車両販売が188.3億ドル、規制クレジットが7.4億ドル、リースが4.5億ドルで、合計200.2億ドルね。（グラフを切り替えながら）エネルギー事業が23.8億ドルで52%増、サービスその他が27.9億ドルで29%増を達成したわ」
あおい「（グラフを食い入るように見つめながら）エネルギー部門の伸びが印象的ですね」
きらく「（満足げな表情で）その通りよ。四半期で6.9GWhのエネルギー製品を導入したの。（スクリーンをLathrop工場の写真に切り替えて）特にこのLathrop工場では、週間200基のMegapack生産を達成する週もあったわ。年間換算で40GWh相当という素晴らしい実績ね」
銭太郎「（タブレットで工場の写真を拡大しながら）工場の状況はどうなってるゼニ？」
きらく「（世界地図上の各工場をポイントしながら）上海工場が過去最低の生産コストを記録し、ベルリン工場も効率改善が進んでいるわ。（製造コストのグラフを表示しながら）1台あたりの製造コストは約35,100ドルまで低下して過去最低を更新したの」
あおい「（手帳にグラフを書き写しながら）将来への投資はどうなっているんですか？」
きらく「（投資計画の表を指しながら）研究開発費として10.4億ドル、設備投資として35.1億ドルを投じているわ。現金・投資残高は336億ドルまで増加し、フリーキャッシュフローも27.4億ドルを確保できているの」
銭太郎「（目を輝かせながら）サイバートラックはどうゼニ？」
きらく「（壁面にサイバートラックの最新画像を映しながら）うれしいニュースよ。今四半期で初めて利益貢献を実現し、北米でModel Y、Model 3に次ぐ第3位のEV販売を記録したの。テキサス工場での年間生産能力は12.5万台以上を確保しているわ」
あおい「（ペンを置きながら）2025年に向けての展望は？」
きらく「（未来予測グラフを表示させながら）現在の生産能力は年間約300万台よ。2025年前半には新型の低価格モデルの生産を開始する予定で、2023年比で50%以上の生産増加を見込んでいるの。（投資計画表に切り替えて）設備投資は2024年に110億ドル以上、2025年と2026年はそれぞれ80-100億ドルを計画しているわ」
銭太郎「（感心した様子で）すごい計画ゼニ！」
きらく「（コーヒーカップを置きながら、穏やかな笑顔で）そうね。今後の成長に向けた3つの柱、①新型低価格モデルの投入、②AI活用した自動運転技術の進化、③エネルギー事業の拡大。これらをバランスよく進めていく戦略が見えてきたわ。財務基盤もしっかりしているので、この戦略を着実に実行できる状況にあるのよ」
あおい「（手帳を閉じながら、満足げな表情で）数字だけでなく、具体的な戦略と実行力が見える決算でしたね」
【用語解説】
■ 財務・会計用語
・グロスマージン：
粗利益率のこと。売上高から製造原価を引いた利益の割合。数値が高いほど収益性が高いことを示します。
・営業利益率：
売上高に対する営業利益（本業での儲け）の割合。数値が高いほど本業での収益性が高いことを示します。
・EPS（1株あたり利益）：
企業の純利益を発行済株式数で割った数値。株主にとっての収益力を示す重要な指標です。
・フリーキャッシュフロー：
企業が自由に使える現金の額。事業で得た現金から必要な投資額を引いた金額です。
■ テスラ特有の用語
・規制クレジット：
環境規制に関する基準をクリアした企業が得られる権利で、他社に売却可能。テスラは電気自動車メーカーのため、多くのクレジットを獲得しています。
・Megapack：
テスラの大規模産業用蓄電システム。電力会社や大規模施設向けの製品です。
・Powerwall：
テスラの家庭用蓄電システム。太陽光発電と組み合わせて使用することが多いです。
・GWh（ギガワット時）：
エネルギー容量を示す単位。1GWhは100万kWhに相当します。
・COGS（Cost of Goods Sold）：
製品の製造にかかる直接的なコスト。原材料費や労務費などが含まれます。
■ 投資指標
・市場予想：
証券アナリストたちによる業績予想の平均値。この数値と実際の業績を比較することで、企業の業績が期待を上回ったか下回ったかを判断します。
・生産能力（キャパシティ）：
工場で生産可能な最大の製造量。テスラの場合は年間で生産可能な車両台数を示します。