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NECの決算分析:「受注40%増」の背景にある構造変化

なぜ今、個人投資家はNECに注目すべきか

株式投資で成果を上げるには、企業の「変化の兆し」を見逃さないことが重要です。そして今、NECはまさにその転換点にいます。

具体的な変化が見えてきたのが、2024年3月期の決算です。ITサービス事業は売上収益7,355億円(前年比4.3%増)、営業利益率6.6%と収益性が改善。特にクラウドプラットフォーム「BluStellar」の受注が40%増加するなど、高収益なビジネスモデルへの転換が進んでいます。

さらに注目すべきは、2,355億円を投じたNECネッツエスアイの完全子会社化です。これは2025年から始まる自治体システムの標準化という大型案件を見据えた戦略的な動きです。

海外でも、買収したスイスのAvaloqが売上収益1,551億円、営業利益80億円と成長を続けており、グローバル展開が本格化しています。

このように、NECは政府DXという追い風を受けながら、ITサービス、社会インフラ、環境・エネルギーなど幅広い分野で「安定性」と「成長性」の両立を目指しています。

NECの変革を理解することは、今後の投資判断における重要な材料となるでしょう。

これから、NECの事業構造と成長戦略について、詳しく見ていきます。

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0.NECの事業概要:「安定」と「成長」を両立させる3つの柱

きらく:「まず、NECの事業構造について整理しておきましょうか。企業分析では、各事業の収益性や成長性を理解することが重要なのよ」

あおい:「はい、各事業の位置づけを確認させていただきたいです」

きらく:「NECの事業は、大きく3つのセグメントで構成されているわ。セグメントとは事業を分野や機能で区分したもので、それぞれの特徴を見ていきましょう」

1.ITサービス事業
きらく:「まず中核となるITサービス事業は以下の4つの分野で構成されているの」

  • パブリック: 官公庁や公共機関向けのITソリューション。安定した需要が特徴ね
  • エンタープライズ: 民間企業向けのDX支援。成長分野として期待されているわ
  • クロスインダストリー: 業種を横断したソリューション提供で、効率的な展開が可能なの
  • 海外DGDF: 海外の行政・金融向けデジタル化支援。高い成長が期待できるわ

銭太郎:「最近はDXソリューションが注目されているゼニ。企業のデジタル化投資が活発なんゼニね。」

きらく:「そうね。特にBluStellarというクラウドプラットフォームを中心に、収益性の高いデジタルソリューション事業が成長を牽引しているの」

2.社会インフラ事業
きらく:「次は社会の基盤を支える事業よ。景気の影響を受けにくい特徴があるわ」

  • テレコムサービス: 通信インフラや5Gソリューション。デジタル社会の土台となる分野ね
  • ANS: 航空宇宙・サイバーセキュリティ。政府の重要インフラを支える事業よ

あおい:「最近は安全保障関連の重要性が高まっていますよね。サイバー攻撃対策なども注目されています」

きらく:「その通り。デジタル化が進むほど、セキュリティの重要性も高まっているのよ」

3.その他
きらく:「そして第3のセグメントには次のような事業があるわ」

  • 環境・エネルギー関連事業:持続可能な社会に向けた取り組みね
  • コンポーネント製品:基盤となる製品群よ

きらく:「このように、NECは社会のデジタル化と安全・安心を支える幅広い事業を展開しているの。これを事業ポートフォリオと呼ぶわ」

あおい:「事業を分散することでリスクを抑えつつ、各事業間での相乗効果も狙えるんですね」

きらく:「その通り。この幅広い事業展開と技術力が、NECの強み、つまり競争優位性になっているのよ。投資家はこういった企業の特徴を理解することが大切なの」

1.業績概況:「質的な変化」が見える3つのポイント

きらく:「今回の決算、数値だけでなく、その背景にある要因と今後の展望について、じっくり分析してみましょうか。企業分析では、数字の表面的な変化だけでなく、その質的な変化を理解することが大切なのよ」

あおい:「はい。具体的にはどういった点に注目すればよいのでしょうか?」

きらく:「まず注目すべきは、ITサービス事業の質的な変化ね。売上収益が7,355億円と4.3%増加しただけでなく、営業利益率、つまり売上高に対する利益の割合が6.6%まで改善している点よ。この改善は一時的なものではなく、ビジネスモデルの転換によってもたらされているの」

2.ITサービス事業の収益性改善:NECが推進するBluStellar事業

銭太郎:「なぜ収益性が改善したんだゼニ?」

きらく:「主に3つの要因があるわ。まず、BluStellarを中心とした高収益案件の増加。従来型のシステム開発から、より付加価値の高いDX案件へのシフトが進んでいるの。付加価値が高いということは、より高い価格設定や利益率を実現できるということよ」

あおい:「確かにBluStellarの受注が40%増とありましたが、これは将来の売上につながる先行指標として評価できるんですね」

3.政府DXと民間企業、2つの追い風

きらく:「その通り。さらに重要なのは、その受注がどこから来ているかよ。エンタープライズ分野では、すでに取引のある顧客、つまり既存顧客基盤からの案件が増加している。これは効率的な事業拡大ができている証拠なの」

銭太郎:「パブリック分野での大型案件も増えているゼニ」

きらく:「ええ、ただし大型案件は業績へのプラスが大きい反面、リスク管理も重要になるわ。政府のデジタル化推進策という追い風はあるものの、案件の適切な管理が必要ね」

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4.NECのAvaloq事業における注目点

きらく:「海外のDGDF事業も、特にAvaloqの収益改善は注目に値するわ。売上収益1,551億円、営業利益80億円という数字の裏には、欧州金融機関のデジタル化需要の取り込みに成功していることが見て取れるの」

あおい:「一方で、気になる点もありますが...」

きらく:「鋭いわね。投資判断では、成長機会だけでなく、リスク要因もしっかり見ておく必要があるわ。特に3つの点に注意が必要ね」

5.NECの事業戦略と成長への課題

銭太郎:「どんな点だゼニ?」

きらく:「第一に、人的資本の課題よ。パブリック分野での受注増加に伴い、高度な技術者の確保と育成が必要なの。これはIT業界全体の重要課題でもあるわ。第二に、競争環境の変化。特に5G関連では世界的な競争が激化していて、これは利益率に影響を与える可能性があるの。第三に、為替変動リスク。海外事業が拡大している企業にとって、為替の動きは業績に大きく影響するのよ。現在の円安は収益にプラスだけど、これが継続するとは限らないわ」

あおい:「つまり、成長機会とリスクの両面から総合的に判断する必要があるんですね」

きらく:「その通り。投資は数字だけでなく、その背景にある様々な要因を理解することが大切なのよ」

6. NECネッツエスアイ完全子会社化の狙い

あおい:「NECネッツエスアイの完全子会社化の狙いについて教えていただけますか?」

きらく:「まず完全子会社化とは、親会社が子会社の株式を100%保有する形にすることよ。親会社のNECは、1株3,250円でNECネッツエスアイの株式を市場外で買い付ける、TOBという手法で約2,355億円を投じるの」

あおい:「大きな投資額ですね。なぜ今このタイミングなのでしょうか?」

きらく:「大きく3つの背景があるわ。まず1つ目は市場環境の変化への対応よ」

市場環境の変化

  • 2025年から自治体システムの標準化が本格化
  • システムとネットワークの一体提供ニーズの高まり
  • 全国規模でのサービス提供体制の必要性

銭太郎:「自治体のDX化で大きなビジネスチャンスが生まれるってことゼニね」

きらく:「その通りよ。2つ目の背景は、グループ経営の強化という視点ね」

グループ経営の強化

  • 意思決定の迅速化が可能に
  • 人材や技術などの経営資源を最適に配分
  • 重複機能の統合で効率化を実現

あおい:「完全子会社化することで、より柔軟な経営が可能になるんですね」

きらく:「そうよ。そして3つ目が、シナジー効果の最大化という狙いね」

シナジー効果の最大化

  • 技術・ノウハウの共有による競争力強化
  • 新規事業創出の加速
  • グループ全体での収益性向上

銭太郎:「投資額は大きいけど、それだけの価値があるってことゼニ?」

きらく:「その判断が投資のポイントよね。NECとしては、この投資を通じて以下のような効果を期待しているの」

期待される効果:

A.事業面

  • 全国規模での一気通貫サービスの提供
  • 自治体DX市場での競争優位性確保
  • 新たな事業機会の創出

B.財務面

  • 経営効率の向上
  • 投資効果の最大化
  • ROE(株主資本利益率)の改善

あおい:「長期的な成長に向けた重要な一手なんですね」

きらく:「その通りよ。これは単なる組織再編ではなく、NECグループの持続的な成長に向けた戦略的な投資と言えるわ。投資家としては、この判断の妥当性と、実際にどれだけの成果が出せるかを注目していく必要があるわね」

銭太郎:「経営判断の是非は、これからの成果で評価されていくということゼニね」

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7. NECが描く成長シナリオ:BluStellarからAvaloqまで、3つの注目ポイント

きらく:「3つのポイントを押さえておきましょう」

  1. BluStellarの成長持続性、特にパブリック分野での展開拡大
    【解説:BluStellar】NECのクラウド基盤サービスのブランド名です。官公庁や企業のITシステムをクラウドで効率的に運用する仕組みを提供しています。
  2. グローバルDGDF事業でのシェア拡大とAvaloqの収益改善
    【解説:DGDF】Digital Government(電子政府)とDigital Finance(金融DX)の略称です。政府・金融機関のデジタル化を支援する事業を指します。
    【解説:Avaloq】NECが買収したスイスの銀行向けソフトウェア会社です。世界の金融機関にサービスを提供しています。
  3. NECネッツエスアイとの統合シナジーの実現スピード
    【解説:シナジー】企業統合による相乗効果のことです。例えば、NECとNECネッツエスアイの技術やノウハウを組み合わせることで、より良いサービスを提供できるようになることを指します。
    【解説:NECネッツエスアイ】NECグループの通信機器工事・保守会社です。ネットワークやITシステムの構築・運用を手がけています。

「本を読みなさい」はもう言わない

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8. 総括:「個別開発」から「標準化」へ、その狙いとは

NECが大きな転換点を迎えています。

従来型の「システムインテグレーター」から、BluStellarのような標準ソリューションを提供する「デジタルソリューションカンパニー」へと、ビジネスモデルの転換を進めているのです。その成果は、売上高利益率が3.0%から4.1%への改善という具体的な数字となって表れ始めています。

この変革は、まだ途上にありますが、日本のIT業界全体の変化を象徴する動きとして、投資家の皆様に重要な示唆を与えてくれます。なぜなら、この転換の成否が、今後の企業価値を大きく左右する可能性があるからです。

NECの事例から、私たちはどのIT企業に投資機会があるのか、その見極め方を学ぶことができます。

https://note.com/observatory393/n/n988fd4a12db7?sub_rt=share_pb

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